嘉山は、豊栄街と田んぼとのそれぞれのエリアのエッジに位置する。農家さんが住まう集落の一角にほぼ当てはまり新興住宅と農家が混在する場所である。敷地の奥には各住居の裏庭の畑があり豊栄らしい農の文化を垣間見る。図と地でいうなれば、本来は地としての外部=畑だが、自然派生的な集落の裏手の外部空間は図としての畑に見立てることができる。敷地は奥へ奥へと進むプロセスレイヤの上に、居住空間というレイヤーが重ねられ、日々の生活は、奥の田畑や、瓦の屋根、連峰を意識しながら繰り広げられる。建築は、1階が白い箱であり、蓮の葉効果のある外壁塗料を施し、2階はグレーの箱でプラネットカラーを施し、耐久性を保持している。プライベートを考慮して開口部は控えめであるが、周囲の映える空間を垣間見る構成としている。地域に孔を穿つ万華鏡のようなイメージからエスキスが始まった住まいであり、グランドレベルでは田畑と馴染み、2階レベルでは、集落の欅、五頭と飯豊連峰を拝んでもらえる。今回その方位は東であるが、周囲の建物が南を重視する建物がありきたりのなか、地域と自然、田畑に触れる方位を目指している。
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