交通量の激しい主要道路同士の交差点付近に昭和45年に建てられた住宅のリノベーションです。
子供達が独立し80代のお母様が一人で暮らす家は住宅設備がほぼ建設当時のままだったので、使い勝手の良いバリアフリー化を望まれていました。しかし耐震精密診断で耐震強度が0.4以下と非常に危険なことから、住宅設備のバリアフリー化にはある程度大掛かりな耐震補強工事も必要でした。
小さな平屋に建て替えるか、リノベーションか?長い間迷われていましたが、補助金を利用したリノベーションを提案させていただきました。
交通量の多い交差点付近のため、道路専用許可が深夜しか降りない等の立地条件からくる工事費の加算や立替で面積が減少してしまうこともなく、ご家族の思い出を残すことが出来ました。
建物は基礎も含め、全ての躯体が現在の基準を満たすよう耐震補強され、高断熱高気密の高性能の住宅にリノベーションされました。
建物のデザインは既存の屋根勾配をそのまま残し、シャープで趣のあるディテールにつくりかえました。
内部はワンルームを基本として、間仕切り建具等で部屋を区切るような、開放的なプランとし、屋根を支えていた小屋丸太をアクセントにすることや、木組みの階段やカマチのフラッシュ戸等、昭和の香りを残した40年の歴史を感じさせる仕上がりになりました。
遠山建築構造研究所