小川に沿って、古い居酒屋や洒落たレストランが混在する幾つもの小路(こみち)をほんの少し入った一角にこの住宅は建っています。
小路を介して築50年以上の住宅が建ち、隣家も近接していたため、都市型住居のスタイルとして、窓からの視線は避け、小さな窓から光と風を効率よく取り入れ、唯一視線が抜ける場所に町を流れるせせらぎを眺めるための広い開口を設けました。
閉じられた内部空間は無駄な動線や平面上の部位を極力抑えたコンパクトでシンプルなプランで自然素材の白い壁と木を基調とした構成は、光と風を十分考慮した開口部と相まって、気持ちの良い開放的な空間に仕上がっています。
外観は細い道に圧迫感を与えず優しく街並みに馴染ませるように、深い庇や広い開口部を避け、昭和のノスタルジーを感じさせる切妻屋根の控えめなシルエットです。
延床面積:74.52㎡(22.5坪)
1階面積:29.81㎡( 9.0坪)+駐車場14.90㎡(4.5坪)
2階面積:44.71㎡(13.5坪)+ロフト 9.93㎡(3.0坪)
①梁を表した勾配天井
水平梁を用いない登り梁工法とすることで2階の天井高は3m以上
実際の広さ以上に立体的な広がりを感じます。
②子供の成長に合わせて成長する子供室
子供室は8畳のワンルーム+6畳のロフトです
下のお子様の成長に合わせて家具で2部屋の個室に分ける計画です。
ロフトは子供時代は秘密基地的に、大人になってからは
収納やアトリエとしての使用をイメージしています。
③耐震性能
1階のビルトインガレージは壁のないオープンスタイル、
2階も柱の少ない大きな空間構成としながら、耐震等級3、
耐風等級2と高い耐震性も実現しています。
「生活感のない整理された空間」というご希望に対して
リビングからつながったキッチン奥に3畳のパントリーを設け
生活感が出る冷蔵庫とレンジフードがリビングから見えない配置としました。
もっと沢山の人が建築家の先生に設計してもらったらいいのに、と言っていただきました。
住まいに対するあこがれでも構いませんので、どんな暮らしをしたいかをお伝えください。
原さん方との家作りを通して、暮らしが楽しく豊かになりました。
その土地、風土と希望予算で考えられるこれ以上ないと確信するプランに、そうか、間取りというものは施主が考える必要がないんだ、ということを感じたのを鮮烈に覚えています。
住み始めてまた改めて、間取り、家事動線、デザイン、高さのある勾配天井、無垢材の香り、床のやわらかさ、色、クロスの質感、外壁材、古家の石を活かした玄関、そのどれもが私達家族にとってはぴったりで大好きです。