ファーストプランの時に一番考えたのは、既に2階配置が決まっていたL・D・K及び中庭との相互関係でした。提案プランは決してインパクトの強いものではありませんでしたが、施主のYさんにはこのバランスを気に入っていただき、ご採用いただけたようです。
中庭とデッキテラスをL字型に囲む立体コートハウスで、LDKのみならず1階寝室や土間玄関からも、塀で囲われた中庭を介して採光、通風、そして緑の眺望を享受することができます。またL・D・Kは異なる天井高とするなど、家全体の空間は緩やかにつながりながらも抑揚のある構成となっています。
中庭のシンボルツリーを、最後にYさんと共に植栽畑に選びに行った際、なかなか決められないことが多かった?奥様が「この樹がいい!」と即決していただいたことが印象に残ります。(少し予算オーバーでしたが…)このアオハダという樹が2階の目線レベルまで育つ頃には、より良いバランスの住まいとなることでしょう。
L型の塀で囲われた中庭/プライバシーと開放性の両立/オープンな2階LDK
比較的隣戸の近接した環境であるのに対し、2層分のL型の塀を設けることで、プライバシーを確保しつつ開放的なLDKとすることを実現しました。
ローカルな立地の場合LDKは1階に設けることが多いですが、都心部では上階に持ってくることも少なくありません。敷地環境や家族のライフスタイルをよく考慮し、どちらにするか考えることは計画していく上での最初のポイントです。
山菱工務店(三鷹市)
野村基建築構造設計