兵庫県篠山市にあるガラス作家児玉みのりさんのギャラリー・工房兼住居です。
田畑の広がる篠山盆地の中、典型的な集落の奥に位置するこのso arrow gallery & factoryは100年ほどの時間の中で増築と改修、補修が繰り返され、私たちは古民家が本来持っているものを引き出すために、何かを作るというよりは余計なものをとにかくそぎ落とし、そしてそこに何を足すべきかをじっくりと考え、進めてきました。
結果として この古民家が建った時よりもむしろもう少し前の素の状態に近いものとなり、背筋の通った力強さや気高さと言ったものを引き出せたのではないかと感じています。
ギャラリー全体には庭に向かって開いた開口から明るい光が溢れます。日常を大事にされる児玉さんの作品に合わせ、作られた作品も日常の光の中でどのように見えるのかを自然と感じられるように。
庭、什器・展示計画、そして広報と篠山近辺の方々に参加していただき、クライアントである児玉さんを含めてチームでプロジェクトを進めてきました。
先行して取り掛かった住宅部分から考えると足掛け二年以上、それぞれの受け持ちを超えて意見交換することで空間も様々に変化してきました。
出来上がったものを見ると我々が設計した、というよりは何か互いの間に生まれたものがそこに着地している、そう感じています。
工事が完了して完全に完成ではなく、これからも手を入れながら成長して行ける場となるような余白も大事に考えた計画です。
作品を手に取り楽しんで頂くのはもちろんのこと、豊かな篠山の風景や環境を存分に享受できる場所となっています。
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