敷地は都内の住宅地にある、敷地面積わずか45㎡程度の狭小地である。
敷地面積の小ささに加え、斜線、日影等の法規制がかかる中で、施主の要望である、リビング、ダイニングキッチン、寝室、土間スペース、ワークスペースなどが共存した、快適で合理的な住宅をいかに実現するかが課題となった。
建物は法規制を目一杯に満たした最大限のボリュームを与えた結果、自ずと南北に勾配した家型となった。
その最大限の空間に、ダイニングキッチン、水廻りスペース、寝室の3つの用途に対応した閉じた性格のボリュームを300mmの水平スリットを設けながら立体的に配置する。
残余の空間には、断面的に連続した開かれた場所が生まれ、それらは土間、リビング、ワークスペースといったフレキシブルに使用できる場所となった。
それぞれの場所の床面積は小さいながらも、水平スリットにより建物全体のボリュームの広がりを感じられる空間となっている。
立体的に配置された3つのボリュームの内部は、それぞれ全く異なった色に塗り分けられ、その外郭はファサードと連続しながらガルバリウム鋼板に覆われている。これにより、3つのボリュームの内部に居る時には、外部に属した空間、外部に近い場所に居るような感覚を得る。
一方で、残余の壁の白く塗られた場所では、反転するように、内部に属した、落ち着いた室内に居るような感覚を得る。
構成と連続した、テクスチャを与えることで、閉じたボリュームに居る時は外部への開放感、開いた場所にいる時には内部としての落ち着きを得られるような、距離感の反転が起こっている。
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