計画が始まった時点で、施主様の理想のイメージは非常に明確でした。「ワンフロアのような一体感」「スキップフロアのある家」「光と影が美しい高い天井」「内外装の統一感」「流行に左右されない普遍的なデザイン」。そして、ロックやテクノを趣味にされる施主様ならではの「倉庫やクラブハウスのような住まい」というユニークなキーワード。これらを羅針盤に設計をしました。
内外装には、セメントの質感が印象的なフレキシブルボードや、クールな印象のガルバリウム、温かみのある構造用合板といった、あえて素朴で飾らない素材を選定しました。キッチンや階段、手摺には素材感が際立つスチールを合わせるなど、ディテールの一つひとつに「素」の魅力を引き出す工夫を凝らしています。これは、流行に消費されない、本質的な価値を持つ住まいを目指しました。