猫が走れる回遊性を生み出す、
オープンキッチンや建具のない寝室。
料理や自転車の趣味空間も充実させ、
65㎡で人も猫も気ままにくつろぐ。
text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue
NECODOMA(東京都)
- 設計
- 空間社
- 住人データ
- 朗さん(35歳)会社員、 純子さん(42歳)会社員、 ツッキー(6歳)猫、モモ(6歳)猫
築25年、広さ65㎡ の中古マンションをリノベーションした
平賀朗さんと純子さんのご夫妻は、2匹の猫と暮らしている。
「二人とも料理が好きで、
休日は映画を見ながら家でご飯を食べ、
お酒を飲んで過ごします。
キッチンを中心とした広いLDKに、
空間の雰囲気に馴染む
キャットウォークをつくりたかったんです」(朗さん)
物件はペット可に的を絞って探したが、
それほど苦労することなく、
条件に合ったものを見つけることができたという。
「古い物件でもともとはNGだったけれど、
途中で管理規約が変更になり
ペット可になっている物件もありました。
思ったよりもたくさんあったという印象です」(朗さん)
リノベーションの設計は、雑誌で見つけた「空間社」に依頼。
キッチンやキャットウォーク以外にも、
趣味のロードバイクのための広めの土間をつくるなど、
具体的な希望をもとにプランを決めていった。
「いちばん陽当たりの良い場所にキッチンをつくり、
LDKをできるだけ広く取りました。
猫のためにも建具を極力少なくし、
寝室は間口を2ヶ所に設けて、回遊性を持たせています」
(空間社・宮本泰則さん)
寝室の間口はブラインドで仕切れるようにして、
昼間は猫が自由に出入りできるようにオープンにしている。
また、土間は玄関側につくり、寝室との壁はモールガラスにして、
玄関側の窓から朝焼けが入る、自然な採光を実現した。
足場板とアイアンの棚受けで、
飾り棚のように仕上げたキャットウォークは、LDKの長手の壁に、
梁の高さに合わせて設置。
端から端まで4m以上の長さとなっている。
足掛かりとなるステップも、左右に2段分つくった。
キャットウォークの寸法や高さは、
純子さんが猫の行動から導き出したという。
「以前の家で、猫たちが本棚や冷蔵庫の上に登るとき、
机や棚を足掛かりにしていたので、その高さを参考に、
ステップの位置などを決めました。
意外にも窓側の2段目のステップが、
窓の外の景色を見るのにちょうどいいらしく、
猫たちはここが一番気に入っているみたいです」
走り回れる回遊性や上下運動にも事欠かず、
猫の運動量も格段に増えたという。
コンパクトながら、人間も猫も好きなことをしながら、
自由気ままに一緒に過ごせる家である。
専門家プロフィール
空間社
都内全域を対応するリノベーションの設計・施工会社。
「デザイン」「実用性」「コスト」の
3要素のバランスを取りながら、最良の提案をする。
シンプルかつ上質な仕上がりを目指し、
プランナーと施工担当者が完工まで一貫して対応する。
写真は『NECODOMA』を担当した宮本泰則と浅生友美子。
株式会社 空間社
- 住所
- 東京都世田谷区深沢1・15・18
- TEL
- 03・5707・2330
- FAX
- 03・5707・2331
- info@kukansha.com
- URL
- http://www.kukansha.com/
※この記事はLiVES Vol.74に掲載されたものを転載しています。
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