・都市型狭小住宅
条件としては、敷地、予算ともに限られたものであり、また地盤も軟弱なため構造的にも堅固なものが要求された。
俗に言う狭小住宅であり、敷地(面積)による束縛が大きいが、その中でも、安全性・快適性を満たした上で、できるだけ性能(耐震性等)・機能を確保できるよう配慮した上で、イメージに合うよう空間のボリューム・構成のスタディを行った。
構造は、地盤に対する安全性・耐震性を考え(多少コストに負担がかかるが)鉄骨造を採用している(鉄骨造の詳細は、構造家の言葉、を参照)。
空間構成としては、シンプルな構成をベースとし、各階ごとに自律した空間を、階段(光の庭)を通じて垂直方向につなげていくものとした。
プラン上は、各階ごとに、できるだけ視線を遮るものを避けた構成としており、空間の分節は、階段の位置を調整することにより実現している。
断面・垂直方向の構成は、実際の住まい方とあわせて、建築の斜線による制限、低→高という空間による心理的効果などを考慮して決定している。
・空間・生活・イメージ
空間自体は多様な使われ方・生活シーンに対応できるよう、シンプルなボリューム・機能・見せ方を心がけている。
その上で生活の多様なシーンを演出する要素(材料・いろ・かたち・光やその他の仕掛け)を綿密に検討した上で空間の中に取り込んでいる。
特に、空間を可変なかたちで演出できる「光」は今回の住宅の中でも力を入れており、存在感を極力消しながら配置している。
建物・空間のイメージを形づくる要素としては、特に南側ファサード、階段部(光の庭)の2つに力を入れた。
それぞれ、外部との関係、内部空間のバランスを決定づけるものとしてデザインしている。
狭小住宅においては、できるだけ無駄をなくすという命題と、一つのものができるだけ多様なもの・意味を包含するという2つの異なるベクトルを持った命題が存在するが、
今回は限られた条件の中で、しかるべきバランスをもって実現化されたと思っている。
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