湘南の閑静な住宅地に建つ親子4人が暮らす木造2階建ての住宅。間口8m奥行き17mの敷地は、手前を2台分の駐車場とアプローチとし、南東角をテラスとして切りとった。建蔽率40%容積率80%いっぱいのコンパクトな建物を建てる。西の道路側のファサードは黒く染色したレッドシダー2×4材の竪格子をベンガラ色の外壁に取り付け、プライバシーの確保と日除けの機能を持たせる。それは街並みに対する柔らかな主張をしている。白く塗られた9mm鉄板の玄関ポーチが格子壁から突き出す。
1階は居間を中心としたワンルームのコモン空間。階段・収納スペースは列柱で区切られ、居間・食堂は大きく開放できるサッシで外部デッキに連続する。居間の奥は客間として仕切ることもできる。1坪ほどの吹抜けは2つの子供室を貫通し、白い木製フラッシュ戸と半透明の中空ポリカーボネイトの建具で仕切られている。その吹抜けの南側には大きなガラス窓が開けられ、居間と子供室と同時に採光している。
2階は寝室、子供室、洗面室、浴室などの個室が配置されている。寝室はFixの高窓とジャロジー窓の開口部があり天井高2.85mとしている。子供室は吹抜けの大きな窓からの光をシナのフラッシュの開き戸と半透明の中空ポリカーボネイトの引違い戸で光とプライバシーをコントロールしている。個室の建具は引き戸とし、空間のバリエーションを作り出す。
天井高2.1mの子供室の上は屋上テラスになっている。屋上テラスに面した高窓からの光を階段を伝って1階の玄関まで導いている。大きな庭のとれないこのような建物には屋根の勾配を利用した半分囲われた屋上テラスは第2の居間として非常に有効である。適度に風と視線を避け、富士山も望むことができる。
内装は床に赤っぽい無垢のカリンのフローリング、壁と天井はオフホワイトをベースにこげ茶に染めたシナ合板、化粧構造材がアクセントになり空間を引き締めている。
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