京都市西京区の線路沿いに建つ住宅の計画である。
ガーデニングが趣味のオーナーの為に、テラスを望める開放的な空間をいかに獲得していくかが当計画のポイントである。加えて、地震に強い家を要望されており、耐震等級3を確保しながらも重たくならない空間づくりを心がけた。
日々の生活の中で季節の移り変わりが感じられるように、エントランス正面に約6帖の広々としたテラスを設けて、シンボルツリーを設置し、アプローチとなるポーチにもガーデニングスペースを設けている。
テラスに面してLDKを計画し、2間分の大きなサッシを設ける事で、テラスとLDKが一体的に利用出来る様にしている。約28帖の広々としたLDKをより開放的な空間とする為に、リビングダイニングの部分は屋根勾配に沿った勾配天井として、高さ方向の広がりを持たせている。屋根形状を活かす事で、天井高さを確保しつつもコストアップしない様に配慮している。更に、2階の荷重を受ける柱が極力目立たない様に、収納スペースやカウンターを端部に配置して内部空間に現れない様にしている。
玄関を入ってすぐ正面の階段は、ストリップ階段とする事で視線が奥まで抜ける開放的で広々とした玄関ホールとしている。玄関脇にはゆったりとした収納スペースを設け、収納スペースの中央はディスプレイスペースとする事で、玄関周りがごちゃごちゃと煩雑にならない様に計画している。階段及び吹抜け廻りの窓は縦長のスリット窓として、建物全体の印象を上へ上へと導くように意図している。
水廻りスペースや収納も一般的なものよりもゆとりのあるサイズとして、建物全体にわたってゆったりとしたスペースとして計画している。