建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
2015年11月12日

仕事場でもある職住一体キッチン。 働く、食べる、遊ぶが混在する家

葉山の家

L 字型に配置したコンパクトな業務用設備でつくるキッチン。“家っぽさ”を排除しながら、リビングダイニングと連続させて家族の暮らしと共存。

text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue

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ご夫妻が働く姿をフレームのように切り取るラーチ合板の構造。
左手前がリビング、右がダイニング。左奥が隼さんのワークスペース、右奥がキッチン。

葉山の家(神奈川県三浦郡葉山町)

設計
渡辺泰敏建築設計事務所
住人データ

隼さん(36歳)アートディレクター、
美沙さん(36歳)フードディレクター、
     長男(4歳)、長女(2歳)

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ワークスペースとキッチンの上は小屋裏を利用したロフト。
リビングダイニングを見下ろす。

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ワークスペースとキッチンを仕切る食器棚。
ワークスペース側にはデスクがある。

食とデザインとアートを中心に 「holiday」という
ユニットで活動している堀出隼さんと美沙さんご夫妻。
住み慣れた葉山で、2人のお子さんと暮らしながら、
仕事場にもなる家を求めていたという。

一戸建てをリノベーションするつもりで物件を探していて、
この家と出会いました。
築50年ですが、小道を抜けた高台に建つアプローチが
気に入ったんです(美沙さん)

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外構に面した大きな木製サッシの窓を開放すれば、外と内が一体に。外に置いたカウンターで作業することもある。
新設した外壁は大波のガルバリウム鋼板。

物件は木造平屋で、面積は68㎡強。
フードディレクターの美沙さんの仕事場にもなるキッチンは、
飲食業の許可を取ることが条件で、
ケータリングの食材などを広げるスペースも必要。
できるだけ広くキッチンやダイニングの空間を取ることにした。

プランは外に面して大きな窓を設け、
外構から続く土間にダイニングを配し、
一段上がったコルクの床の空間をリビングに。
キッチンと隼さんのワークスペースは、
中央を大きく抜いたラーチ合板の構造で分けて、隣同士に配置した。

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ガスコンロの横の壁にキッチンツールをハンギング。使用頻度の高いものを下に。

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ワークスペースからキッチンを見る。互いに仕事をしながらコミュニケーションが取れる。

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仕事場からリビング、キッチンからダイニングへスイングドアで出入り。

ダイニングはキッチン、
リビングはワークスペースの余韻を残しつつ、
フレームのような構造とスイングドアで区切っています。
職住一体の空間をゆるやかに分けました。

とは、設計を担当した建築家の渡辺泰敏さん。
ワークスペースとキッチンの間には、
デスクや収納を置いて空間を切り分け、
美沙さんがキッチンから振り向けば、
すぐに隼さんと打ち合わせができるようにした。

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洗いものをしている時間が長いことから、シンクはリビングダイニングに面して配置。

L字に設備を配置したキッチンは、シンクをダイニングと対面に。
壁側にコールドテーブル、ガスコンロが並ぶ。
設備はすべて業務用で、面積に合ったコンパクトなサイズを選んだ。
冷蔵庫、オーブン、換気扇などの一部の家庭用設備は、
できるだけ視界に入らないように工夫した。

アイデアを練るときに集中力が高まらないので、
家っぽい雰囲気は排除したかったんです。(美沙さん)

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ガスコンロは「オザキ」。自動点火式で掃除しやすいタイプ。

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キッチンとワークスペースの間に設けた棚。ガラス類を収納。

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隼さんの仕事場からつながるコルクの床のリビングは、子どもたちの遊び場所。

リノベーションは、外壁や屋根、ほとんどの壁を新設。
堀出さんご夫妻は一から間取りを考えるにあたり、
渡辺さんと相談して「くらす」というテーマを設定したという。

学校のクラス、上質のclass、
そして『暮らす』という意味を込め、
日常を大切にする自分たちらしい暮らしを形にしました。
(隼さん)

その印象通り、完成した家は、
働く、食べる、遊ぶといった家族の暮らしが同列に並び、結びつき、
互いに尊重された空間となっている。

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ケータリングの演出で使用した什器を土間に並べて靴置き場にしている。

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ラーチ合板で造作したポストや植物がセンスよく並ぶ玄関。

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隼さんの仕事場の壁はピンク。壁には階段があり、ロフトへとつながる。

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お茶の道具など、よく使うものは可動式のワゴンにまとめて。

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土間にはペットのためのドッグスペースもある。
窓を開ければ、外とつながる特等席。

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キッチンの奥にある家族4 人の寝室。

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BEFORE

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AFTER


〈物件名〉葉山の家〈所在地〉神奈川県三浦郡葉山町〈居住者構成〉夫婦+ 子供2 人+犬〈建物規模〉平屋建て〈主要構造〉木造〈築年数〉約50 年〈建築面積〉68.60㎡〈床面積〉1 階 68.60㎡、ロフト 12.42㎡、合計 81.02㎡〈設計〉渡辺泰敏建築設計事務所〈施工〉有限会社 ワイズホーム〈設計期間〉5 ヶ月〈工事期間〉4 ヶ月〈竣工〉2013 年〈総工費〉1,100 万円


※この記事はLiVES Vol.75に掲載されたものを転載しています。
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