子供も巣立ち、夫婦二人となった築36年木造住宅を終の住処にするリノベーション。
襖や障子で間仕切られた和室と廊下の構成が、ほとんど使われない部屋をいくつも生んでいた。耐震補強のために部屋と廊下の仕切りを取払う際、キッチンを中心に据え、すべての部屋がキッチンの隣なりとなるようにレイアウトを変更した。生活に欠かせないキッチンを動線コアに部屋を繋げる事で、2人では多すぎると感じていた余った部屋たちを季節や時間に応じて使い分けるという新しい暮らし方がはじまる家となった。冬は温かい南側の部屋へ、夏は涼しい北側の部屋へ、昼寝は和室へ、それはまるでノマドのように。