白いペンキやアンティークワックスの塗装で、木の表情に変化を加える。古材を効果的に取り入れ、上下階で雰囲気の異なる空間に。
text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue
Beach Side House in 湘南
(神奈川県藤沢市)
- 設計・施工
- STUDIO・LEON
- 住人データ
- 夫(39歳)エンジニア、妻(38歳)主婦
サーフィンが趣味で、都内に住んでいたときは2~3時間かけて海まで通っていたという槇本憲太さん。奥さまの尚子さんと2人暮らしで、3年前に茅ヶ崎の賃貸住宅に引っ越し、海の近くで一戸建てを建てるために土地を探し始めた。見つけたのはサーフスポットまで歩いて200mの立地にある40坪ほどの敷地。松の防砂林に囲まれた緑豊かな環境だ。
光と風をふんだんに取り込み、屋外とのつながりを感じさせるようにデザインしました。外壁は海に近い環境や周囲の松林と調和するように、無塗装のレッドシダーをよろい張りに。経年で味わい深く変化していく様子も楽しめます
そう話すのは、湘南エリアの住宅を数多く手掛けているスタジオ・レオンの河村礼緒さん。プランは、2階にウッドデッキに面したLDKとロフト、水まわりを配置。1階は2つの個室と玄関から直接つながる土間スペースを設けている。
1階の土間は、サーフィン後に友人たちが立ち寄れるフリースペースとして使っています。土間なのでウェットスーツのまま入ったり、サーフボードを手入れする場所としても気軽に使えます(憲太さん)
1階の壁は板張りに白いペンキ、天井はアンティークワックスを塗装。土間から小上がりになった廊下や階段には古材を使っている。2階の床は木目や節を活かしたラスティックオークのフローリング。オイル塗装で肌触り良く仕上げている。さらに、壁の上半分には漆喰を塗り、天井を真っ白に塗った。
1階は半屋外のようなラフな空間、2階はリラックスできる居心地の良い空間で、雰囲気が全然違います。古材を使った廊下や階段が、その2つの空間をつないでいるように感じます(憲太さん)
自然素材を活かした明るい雰囲気の2階の空間の中で、キッチンの面材には古材を使い、家具のような味わいを出している。壁の白いタイルが、さわやかな印象も加えている。
キッチンには、好きな素材である古材を使って個性を出したいと思いました。生の木の色は好きですが、あまり木の部分が多いと、重々しくなってしまう。適度に白く塗ったり、タイルを取り入れたりすることで、木の魅力がより引き立てられていると思います(尚子さん)
専門家プロフィール
1972年 神奈川県生まれ。中学時代から建築の仕事を志し、数社の建築事務所を経て、99年 STUDIO・LEON 設立。鵠沼海岸の事務所兼ショップにてより良い住まいづくり、空間づくりを提案。
STUDIO・LEON
- 住所
- 神奈川県藤沢市鵠沼海岸2・3・5
- TEL
- 0466・33・6546
- FAX
- 0466・33・6522
- info@studioleon.co.jp
- URL
- studioleon.co.jp
〈物件名〉Beach Side House in 湘南〈所在地〉神奈川県藤沢市〈居住者構成〉夫婦〈用途地域〉第1 種低層住居専用地域〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉133.01㎡〈建築面積〉47.82㎡〈床面積〉1階 45.33㎡、2階 47.82㎡、合計 93.15㎡〈建蔽率〉35.96%(許容40%)〈容積率〉70.04%(許容80%)〈設計・施工〉STUDIO・LEON〈構造設計〉山下設計〈設計期間〉2ヶ月〈工事期間〉5ヶ月〈竣工〉2015 年
※この記事はLiVES Vol.85に掲載されたものを転載しています。
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