変形敷地に建つ個人住宅です。間口が4mに満たない土地にいかに広く感じることのできる空間をつくるかがテーマでした。
そこで間口3m、奥行き21m、最高天井高さ5m余りのチューブ状空間を用意し、そこにレベルと面積が異なる床を浮かべました。これによりボリュームの異なる空間が現出し、それらがそれぞれ異なる機能を果たすよう計画しています。
大きな空間の中に個別の場を流動的に関係付けることで、住空間という尺度からは逸脱したような大きな空間の中に、ヒューマンスケールの場を作り出せたと考えています。
老朽化した周辺環境から今後近隣の状況が大きく変貌することが予想できたため、それらにどうように対応していくか、という問題も大きな命題でした。
具体的には採光・換気・眺望の確保といった開口部の計画が主な作業になりました。
この敷地の場合、南側にはあまり期待が持てず、東側の接道面および建物と敷地とのスキマにできる僅かな空間を最大限に利用することを目標に開口部の位置や大きさの検討をしています。
結果的に外観からはとても窓の少ない建築に見えますが、建物の内部に入ると非常に明るい空間を実現することができました。
この室内環境はしばらくの間大きく変貌することなく、安定した住空間を保てるものと考えています。
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