本図書館の位置する東大駒場キャンパスの東部は、学生の憩い・交流の場となる広場を中心に厚生・スポーツ施設等が建設される予定のエリアとなっています。図書館はその広場の南側に配置され、さらに南にはキャンパス内でも最も緑豊かな矢内原公園があります。
図書館の核となる学習閲覧ゾーンは、この建物の最大の特徴である「光回廊」と呼ばれる吹き抜け空間を中心に構成されており、吹き抜けを挟んで南側が学習閲覧エリア、北側が開架エリアとなっています。光廊下は建物の中心を東西に横断するスリット状の吹き抜け空間です。トップライトからより多くの外光を取り入れるよう南側に傾いているため、建物全体があたかも一条の光によって真っ二つに切り開かれたかの様な姿をしています。その切断面には木質系のリブを施した壁面やガラスのルーバーが取り付けられ、トップライトのアルミルーバーから柔らかく降りそそぐ光を反射し、透過するリフレクターの役割を果たしています。光回廊に降り注ぐ外光はその最下階に到達する過程で各フロアに染みこむ様に拡散していき、光回廊は建物を内側から発光させる光の空間となるのです。
その光の中で、思い思いの場所に腰を掛け、本と向き合う時間を楽しめるよう、建築と一体化されたベンチやカウンターテーブルが、光回廊の周りにめぐらされています。
基本設計・総合監修 香山壽夫 /実施設計 久米設計
資料請求にあたっての注意事項