V字に窪んだ谷の中腹に建つ住宅。道路が敷地より4m低かったため、道に面して駐車場を組み込んだ地階をつくり、その上に、開放的な住空間を木造でのせた。地階は階高4m(通常の1.5倍)となり大きな土の力が横からかかるため、壁を斜めに倒して土圧を軽減する構造とした。この斜めに傾いた壁を内部空間に生かし、上にいくほど広がる地下空間が実現した。
このしっかりとした地階の上に、LDKや子供室を一つながりに展開し、外へと心が導かれるように、強い方向性を持つ切り妻屋根で架構した。 対面する丘への眺望が素晴らしい北西に向けて、居間の向きを、45度ふり、壁に食い込むようにソファ・スペースをしつらえた。開放的な一体空間の中に、視線の方向の変化により、すべてを見通せない感覚が生まれることや、小さなスペースを組み込むことで、心を解き放ちつつ、落ち着きのある住空間となることをめざしている。
掲載雑誌
「コレカラ」2月号(リクルート,12/22発売) に掲載 (P.144)
「ホームプランニング」2009.4-6月号(ホームプランニング,4/1発行) に掲載 (P.16)
V字に窪んだ谷の中腹に建つ住宅。
向かいの丘への眺望を生かし
安らぎつつ、広がりのある
住空間を形づくる。