敷地は閑静な住宅街の30坪の土地で、南側道路に面しており、敷地北側の奥は住宅が密集する環境である。
日差しが降り注ぐ敷地南側とひっそりとした敷地北側を効果的に扱いつつ、それぞれの環境を断面的に連続させることで、敷地を最大限に有効化することを模索した。
前面道路に面した南側の1階に駐車場と玄関、その上の2階にリビングと、連続するテラスを配置し、北側に半層ずらした1.5階にキッチン、ダイニングを配置し、両者を大階段で繋いでいる。2階のリビング上部のロフトも含めて、南側の3フロアが北側と断面的に連続しており、住宅内で明るさがグラーデーション化されて連続することで、住宅内の明るい部分と暗い部分が同等の価値を持って住宅内で成立している。
また、北側から南側への通風が助長されることで、パッシブな環境を効果的に獲得している。
浴室やクローゼット、個室は半層ずらした残りの部分に配置することで、プライベート性を維持しつつ、上記のスキップ状の大きな空間に接続している。
ボルダリング壁や雲梯、ハンモック等、趣味がちりばめられたスキップ状の大きな空間は、家族同士のプライバシーを保ちつつ、同時に距離感を縮めており、敷地の南側と北側、プライベートとパブリックという相反する性質を住宅内において同時に成立させている。
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