敷地は都内の閑静な住宅地に位置し、道路より1m程上がった高台となっている。
元々一つの敷地が2つに分筆され、手前が計画の敷地、奥の旗竿敷地が施主の親戚の敷地となった。
第一種低層住居専用地域、建ぺい率50%、容積率100%の敷地は南側に幅員7mの道路に面しており、周囲はゆとりある街区が広がっている。
法律上必要な、敷地半分の空地を有効化し、豊かな周辺環境を取り込んだ住環境を模索した。
南面道路がゆったりしていることから、建物を南側に寄せて配置することで、南北に空地が生まれ、
道路から1m上がった敷地特性を活かし、道路レベルからスキップフロア状に建物を構成することで、LDKは北側の空地から南側の前面道路上方へと連続する地形となり、その地形をRCの壁で包み、周囲の環境により壁の高さを調整する事で、周辺環境の取捨選択を行い、豊かな住環境を獲得している。
道路レベルの1階はRC造とし、ビルトインガレージ、玄関、WC、AVルームを配置している。そこから半層上がった中1階に北側の中庭と連続するリビングがあり、更に1.2m上がると2階のダイニングキッチンがある。ダイニングキッチンの道路側壁面には下部収納を設け、その上部にオリーブが植わる花壇を設けている。中庭、リビング、ダイニングキッチン、花壇は階段状に断面的に繋がった一体の地形となり、中庭と共にRCの壁で包まれている。RCの壁は人の視線が通る前面道路側は、上部に眺望が望める高さに調整し、奥の旗竿敷地の竿部分がある東側は隣地建物との距離があるため、壁の高さを少し下げ、周囲の景観を取り入れている。隣地との距離が近い西側は壁の高さを上げ、壁面収納を設けている。
また、中庭奥の北面は乳白のポリカーボネートとし、隣地への採光を確保している。
3階は中庭状のテラスのある浴室と、南側に開口部のあるテラスに面した個室群を木造の閉じたヴォリュームの中に配置し、ランダムに配置された鉄骨柱でLDKから宙に浮かせている。
高台という敷地の特性を活かし、階段状の地形の様なLDKとそれを包むRCの壁により、豊かな周辺環境を取り込み、立体的な広がりを持つ住宅が実現した。
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