中古マンションとして購入して数年なんの疑問もなく暮らしていたが、住みだしてからわかることや既存の間取りに合わせた生活をしていたことに気づき、もっと自分たちらしい暮らしはできないかというのがリノベーションするきっかけ。
個人の生活を大切にしながら共に住まうための空間はどのようなものでしょうか?共に住まうということは四六時中べったりいることではありません。
この住まいでは食事の時間を共に住まうためのキーワードとしてとらえ、現代のちゃぶ台をイメージしたダイニングキッチンを生活の中心にすえた空間をデザインしました。
居心地をよりよくするために手足に触れる箇所は無垢のフローリングや黒皮鉄などの金属をほどよく素材を活かした計画にしています。
オーダーのキッチンはあこがれになるひとつです。メーカーの製品は研究に研究を重ねてできた代物です。この仕事ではそんなシステムキッチンに黒皮鉄のステーを細工してカウンター付キッチンに仕立てました。
住まい手たちがある場所に集中したり分散したりするのが住まいの基本です。
限られたスペースを有効に使うには、今いる場所を充実させる方法は何かを考えます。
扉は動く壁のように天井までの高さとすることですっきりと開放的なワンルーム的な空間になり、ほどよく気配を感じることができます。
自室や書斎スペースなど自分の居場所をきちんと設けておけば互いの時間も有意義に過ごすことができます。
分譲マンションの間取りに合わせた暮らしから解放されたいとのことでした。
マンション特有の室数を稼ぐ間取りを一旦フルスケルトンにして設計に取り組みました。
対話を重ねた結果、家族が集まっているのは食事のときが多かったので、そこに生活空間の重心を置くように設計しました。象徴的にキッチン一体型のダイニングテーブルとして、豊かなダイニング空間をつくりました。