コロナ感染予防対策をしながらの生活が続き、家にこもってできることが娯楽になりました。そして、家族との時間が密度を増しました。暮らし方が、いまほど注目されたことはないかもしれません。いま、家をアップデートしたい、そう思う人が増えています。
SuMiKaのプロジェクトを通じて家を建てた渡辺淳さんもそんなひとり。2021年5月31日に完成したばかりの新築のおうちを訪ねました。
コロナ禍のリモートワークで「広さ」が必要だと思った
渡辺淳さんは30歳になったばかり。20代で家づくりを始めています。きっかけをおうかがいしました。
渡辺さん:『家がほしい、と思ったのは「コロナのせい」ですね。
僕は情報システムエンジニアで、妻はデザイナー。会社は東京都内の表参道にあります。妻と二人で目黒の賃貸マンションに住んでました。コロナの前までは家にいる時間はそんなに長くなかったので家の広さは気にならなかったんですが。コロナでリモートワークになったので、「もう限界だ! ふたりでこの部屋は狭すぎる!」となって。「じゃあ家を買おうか」ということで真剣に探し始めました。
そんなわけで、まずこだわったのは「広さ」です。50平米以上はほしかったから、それが実現する土地はどこだ?ということで、検索しまくりました。
「東京 1時間 1000万」で検索したんですが、1時間の範囲ではむずかしくて。1時間半に範囲を広げたら、茨城がヒットしたんですよ。そこで、いくつか土地の候補を見に行きました』
土地を検索を駆使して探しているのが、さすが職業柄です。
SuMiKaでいろいろ相談してみた
SuMIKaマガジン:広さだけを重視するなら、規格住宅でも良いと思いますが、あえて注文住宅にした理由はありますか?
渡辺さん:『注文住宅にしたのは妻の意向です。デザイナーですし、こだわりがあって、せっかく住む家だから思ったようにしたいと。ネットでいろいろ調べたらSuMiKaにたどり着いて、専門家に質問できることがわかって。
こういう土地を1,000万円で買おうと思っているんだけど、土地代込みで2,000万円ぐらいで建ちますか?と相談してみました。すると、専門家の人たちから、その金額じゃ満足な家にはならない、とけっこうきつめのアドバイスがありまして。「すげーな…」と思ったんですけど、なるほど、3,000万円かと。
それで、土地の値段の予算をもう少し下げて探し直しました。ついに、希望以上の広さ150平米で600万円の土地が出ました』
SuMiKaの専門家のみなさんは歯に衣着せず率直に語ってくれるので、セカンドオピニオンとしても信頼されています(でも、申し訳ありません!)。めげない渡辺さん、さすがタフです。このタフさや切り替えの早さが家づくりでは大事かも。
全然縁がなかった土地。本当に住めるか実験
SuMIKaマガジン:土地勘がないのに不動産を買うのは不安ではありませんでしたか?
渡辺さん:『僕は北海道出身で、妻は静岡出身なんです。縁もゆかりもない土地なので、住んでみないとわからないね、ということで、この家の近くの賃貸に住んでみることにしました。3ヶ月住んでみて大丈夫そうだったら家を建てようか、と。土地を買うのと、引っ越しはほぼ同時進行でした。
実際に住んでみたら、「クルマがないと無理だ!」となって、クルマを購入しました。クルマがあれば、そんなに不自由はないとわかったので、手付金を10万円はらって土地の本契約をしたんです。
そこで、SuMIkaでプロジェクトをたてて※、専門家を募集しました。「多趣味な夫婦が夢をかなえる家」というコンセプトです』
壁工房・須賀社長との出会い
SuMiKaマガジン:SuMiKaのプロジェクトはどんな反響でしたか?
渡辺さん:『11人の専門家から応募があり、そのうちの3人にお会いました。そのうちの1人が、今回お願いした「壁工房」の代表須賀さんです。
須賀さんは工務店で、他の方は建築家でした。みなさんと、話していたんですが、建築家は「自分は設計するのであとは工務店におまかせして」となって、最後まで面倒を見てくれなさそうで不安でした。壁工房さんは、責任もって最後まで見ますと言ってくれたし、天然素材の漆喰(しっくい)が専門だったのもよかったです。
これから長く住むうえで健康は大事なので、漆喰の家っていいな、と思って。また、壁工房さんに頼めば、のちのちメンテナンスフリーなのもいいなと思いました』
何を選ぶか、どんな人にお願いするのか、というのは注文住宅の家づくりで悩むポイント。信頼できる!と思える人と出会えると進み始めます。
ZEHハウスを目指して
SuMiKaマガジン:渡辺さんが選んだ専門家は、「壁工房」須賀社長でした。どんな人なのでしょうか。
須賀さん:『「壁工房」は隣の守谷市を拠点に活動している工務店です。SuMiKaのプロジェクトを見たら現場が取手だったので、じゃあ手を上げてみようと思いました。
うちはリフォームを中心にやっていて、実は新築設計から手掛けるのは初めてだったんです。家づくりをやっていくうちに「自分だったらこうつくるのに」「このデザインだと家が長くもたないな」と思うことが多かったんです。経験もノウハウも摘みあがっていたので、はじめから家づくりを手掛けたいと望んでいました。
施主さんもすごく良い方だったので、絶対に力になりたいと思ったんです。外はシンプルに、中こそ自由に、というご提案を気に入っていただきました。まかせていただいてよかった』
SuMiKaマガジン:お互いチャレンジングな家づくりだったのですね。できあがってみていかがですか?
須賀さん:『すごく性能がよい家ができたんですよ。外壁や屋根の半端がない、すっきりとしたつくりなので、耐震にすぐれていて、温度が逃げづらい家です。全室24時間換気、高断熱。気密性を測ってみたら0.21C値という高さがでました。気密性の数字は低ければ低いほどいいんです。大手工務店さんが0.59C値で高気密性を謳っていますので、その約3倍です笑。そのうえ、片流れの屋根には全面ソーラーパネルを貼っているので、電力を売ることができます。屋根も傷まないですし、雨どいも片方に流せばよいので美しいですね。東京電力LIXILのZEHハウスをつくるプランでほぼゼロ円で仕上げています』
多趣味な夫婦の夢の家は実現したか?
SuMIKaマガジン:そのほかこだわったところはどんなところでしょう。
須賀さん:『サウナを入れたいというご希望もあって』
渡辺さん:『サウナは絶対ほしかったので。だから、サウナからそのまま外へ出られるように勝手口をつけてもらいました。すぐ外にも水道を引いてます』
SuMIKaマガジン:サウナがあるのがいまどきですね! コンセプトの「多趣味な夫婦が楽しむ」の要望はかないましたか?
渡辺さん:『1階の仕事部屋は2人用です。壁の色を片側ずつ塗り替えて気分を変えられるようにしています。ここは妻のこだわり。
仕事場とダイニングルームの間はガラスの引き戸で仕切り、開放感ももたせています。
映画が好きなので、バスルームにも埋め込みのモニターを入れていますし、ダイニングルームにもモニターを置く予定ですが、2階に防音室をつくったので、爆音もOKのシアターにします。カラオケも思いっきりできますよ』
須賀さん:『防音室は一緒にショールームに行きましたよね。なるべくコストを抑えて……と思ったんですけど、やっぱり実物をみちゃうと、グレードを上げたくなっちゃったんですよね笑』
渡辺さん:『2階は夫婦の寝室と、ウォークインクローゼットです。最大3部屋に仕切って個室にできる大きな部屋をつくりました。何かを始めたくなったら拠点にできるし、友人の滞在用や、家族が増えても対応できるように。その上は屋根裏納戸。収納は各所にありますね。玄関もあがりとは別に、シューズボックスのスペースがあります』
SuMiKaマガジン:家も庭も駐車場もゆったりしているので、いろいろなことが始められそうですね。これから、どんな家づくりをしていきたいですか?
渡辺さん:『まだ、庭が手つかずなんです。ウッドデッキを敷いて、バーベキューもしたいです。これからゆっくり、家をつくっていきたいです』
お引っ越しもこれからという渡辺さん。家は建てて終わりではなく、人が住みながらつくっていくものなんですね。お庭バーベキューができる日が楽しみですね。
須賀さん:『SuMIKaをご縁に、1軒目を建てることができたんですが、それを皮切りに次々とご依頼をいただいており、3軒ほど請け負うことになりました。これからもご縁を大事にしていきたいですね。
施主さんが笑顔になる家づくりをしていきたいです。初めから10年しかもたせないつくりをしている住宅メーカーもありますが、長く快適に住める家、がみなさま理想ですよね。
僕は建てるときもですが、「住んでからもローコスト」が大事だと思っています。そして、漆喰で抗アレルギー抗ウイルスを考えた健康的な家。僕はこの「住んでから幸せな家」を目指して、これからの住宅の道しるべとなりたいと思っています』
SuMiKaでの出会いで、納得のおうちをつくった渡辺さんと壁工房・須賀さんの笑顔が印象的でした。家づくりを考えている人は、自由にSuMIKaを使ってみてください!
取材日:2021年6月
撮影:藤沢大祐
文:SuMiKa編集部
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