敷地は都心から少し離れた住宅街に位置している。周囲は古い木造住宅や、集合住宅が密集している地域で、現状の隣地は駐車場となっているが、今後、建て替えなどが進み周辺環境が変わっていくことを考慮すると、外部に対してはあまり積極的に開かずに、プライバシーが保たれた建物が望ましいと考えた。
また、建物の機能としては、仕事場と趣味の車やバイクが眺められるガレージ空間と、LDK、寝室、水廻りなどの居住空間の2つに分かれ、施主の生活スタイルから、お互いに、ある程度の距離感を保たれることが求められた。
敷地は長方形の細長い形状で、南側道路と東側通路の2面に接している。建物は敷地の中央に外部空間を設け、仕事場+ガレージ棟と、居住棟を、それぞれ2階建の別棟として、それらを中央に設けた中庭とテラスを挟むことで、お互いの視線は繋がりながらも適度な距離感が保たれるように配置している。
建物へのアクセスは、南側道路を車とバイクの入り口として、東側通路からは仕事場+ガレージ棟と、居住棟の両側に分かれるように、それぞれ別の入り口を設けている。
1階部分は、仕事場+ガレージ棟は車とバイクが眺められる趣味の空間とし、居住棟はLDKを配置している。それらは中庭を挟んだワンルームの一体的な空間となっており、中央の中庭によって、お互いの空間の広がりや採光、通風を確保しつつも、ガレージからの車やバイクのエンジン音が居住空間に伝わりにくい構成となっている。2階部分は、仕事場部分と、寝室、水廻り部分を、テラスを緩衝帯として挟むことで、それぞれが独立した空間となっている。
外部空間を挟んだ別棟の空間を一体的に囲い込むことで、周辺環境、仕事+趣味、居住の互いの距離感が適度に保たれた住宅が実現している。
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