既存の建物は鉄骨3階建てで、1階は駐車スペース2台分のピロティ、2・3階はそれぞれ賃貸住宅と貸していましたが、1階と2階を4人家族のための住宅にするというリノベーションです。
1階は、2台分の駐車スペースの1台分を水周りと子供部屋にしました。
2階は、元々バルコニーだったのを内部化して、外側にポリカーボネートを貼りました。この住宅の前には工場があり内部が丸見えになりいつもカーテンを閉め切った生活でしたが、ポリカーボネートの壁によって内部に光を取り入れながら、真向かいの工場からの視線を気にせず生活ができる様に柔らかくプライバシーを守りました。
2階のプランは、T字型の壁を中央に置き、三分割したスペースにリビング・ダイニングとキッチン、それにメインベットルームを割当てました。
T字の壁の3つのスペースには、それぞれに3種類の仕上げを施しました。
リビング・ダイニングには桐の板、キッチンにはモザイクタイル、そしてメインベットルームにはカーペットです。
設計担当:納谷学、野中郷太
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:小池工務店 浦口雄一郎
鉄骨3階建ての1、2階部分
1階床面積:28.47㎡ (8.61坪)
2階床面積:44.48㎡ (13.45坪)
掲載誌 :
『リアル・デザイン2009年度6月号』
『Casa BRUTUS 2010年度2月号』
『住まいの設計2010/04』
コラム :
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住まいの設計
①3種類の仕上げ
リビング・ダイニングの壁は桐のフローリング、キッチンの壁はモザイクタイル、寝室の壁はカーペットにしています。
②もともとバルコニーだったスペースをインテリア化。
内部空間化して、目の前の工場の階段から家の中が覗かれない様に、半透明のポリカーボネート折半板を貼りました。
③駐車スペースを子供部屋と浴室に。
もともと駐車台数2台だったのを1台にして、その分で子供部屋と浴室などの水周りを増築しました。
3階に賃貸者が住んでいたので、動線を確保して生活の邪魔にならない様に配慮しながら工事ができる様に設計した。
建物が竣工してしばらくして、長野の山に行ったら「納谷さん!」と登山道で声をかけられた。
こんな山の中で「誰か自分を呼んだ?」と思ったら、ご家族4人で下山途中の奥さんの声だった。
家をフルリノベーションするとき、壊していい壁、とれる柱、とれない柱、補強しなければならない構造、必ず専門の構造家と打合せをして決定しています。
その上で、今の生活とは全く生活ができる様に提案しています。
三色花見団子
2階のリビング・ダイニングは霧のフローリング、キッチンはブルーのモザイクタイル、寝室はベージュのカーペット、三種類の壁の仕上げでワンルームに三つのそれぞれの居場所ができています。
野中郷太(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
小池工務店 浦口雄一郎