細部までこだわりをもつ施主のため、時間をかけフィードバックを重ねパースを何十枚も描くことを経て、ようやく完成へと辿り着くことができました。協働した喜びはひとしおでした。
地下から塔屋まで5層分の空間が積み上がります。各部屋の個性をもたせながら、それぞれの空間をいかにスムーズに繋げていくかをデザインでは注力しました。具体的には、広い吹き抜け空間を持つ1階から2階へはRC製片持ち式の「浮いたような」階段にて工夫を図りました。2階から3階へはブラックチェリー染色仕上+ガラス手摺の階段として家具のような見せ方にしました。それぞれのシーンに応じて、繋ぎ役の階段を丁寧にデザインしました。吹き抜け空間と2階主寝室の間には開口部を設け、相互が見え隠れしつつも繋がるようにし視覚的に楽しくなるように配慮しています。
弊社ホームページも合わせてご参照いただきたく存じます。以下の3点が特長として挙げられます。①延床面積700㎡超で庭のみどりもふんだんかつ内部空間としても快適であるこの作品が示す住空間としての費用対効果は、近年はやりの都心の超高級タワーマンションペントハウスの7~10億円と比較した際、各段に本件のほうが優れているとの指摘をプロの方のお言葉として賜りました。是非この点を感じ取っていただきたく存じます。②建築家として施主に恵まれこうしたものが実現できましたこと感謝しております。施主は大学で専攻を建築にしようと思ったこともある裕福なアメリカ人でした。すなわち施主さんとの密な協働の結果として初めて良いものができる、との大切なことを是非見て取っていただきたいです。③最後に協力的な施工会社(株式会社岩本組)に恵まれたことです。良いものができる重要なポイントとしてこの点も是非に。
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