koto house

太宰府天満宮参道傍、公園越しに四王寺山を望み、遥かな歴史が偲ばれる。
クライアントはこの地に住まうにあたって、1階にティースペース、ギャラリー、茶室を設け、様々な使い方を喚起できるような場を併設することによって、より豊かな暮らしの在り方を探ろうとしている。
庇下の環境と繋がりながらも曖昧に取り囲まれた静かで穏やかな空間、茶室の包まれるような空間、遠く景色を望む開放的な住まいの空間が、光と翳り、緑と言った自然、プロポーションの操作によって、より多様な場となることがテーマである
黒い板塀の母屋、軒深い庇、格子、緑という基本的な要素のみによる構成が、この地に相応しい佇まいになればと考えた。
通りから縦格子越しに見え隠れする内部は、半透明ガラスが雑多な景色を消し、移り行く光と木々の陰影が美しく映り込む。
茶室は簡潔で直截な表現とし、心地よい緊張感と繊細な落ち着きを求めた。
2階住宅の主室は高さを抑えた切妻屋根をそのまま表し、漆喰を塗り回した。北窓はディテールに配慮し、景色を美しく切り取る。

Photo:石井紀久(Blitz Studio)

柳瀬真澄建築設計工房

柳瀬 真澄

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