元ビジネスホテルだった10階建てビルのワンフロアを住宅にリノベーションするプロジェクトです。
矩形のビルの中央付近にEVと避難階段のコアがあります。
片方をLDKにして開放的な空間に、もう片方を水周りと個室といったプライバシーの高い空間としています。
LDKのそれぞれのスペースは、バーティカルブラインドやカーテンなどを柔らかい境界として使っています。
この柔らかい境界は、閉じたり、開いたり、繋がったり、仕切ったり、羽根の角度を変えたりしながら日常のデリケートな生活を受け止めますが、この家の飼い犬だけは、ブラインドやカーテンの下を自由に行き来できます。
設計担当:納谷学、太田諭
受賞歴 :
2005年 第26回INAXデザインコンペ部門賞 水まわり空間
掲載誌 :
『66人の建築家がつくった「たったひとつの家」』
『Esquire 2007年4月号』
『THE COLD JCB会員機関誌』
『モダンリビング No.165 MARCH2006』
『インポートデザインハンドブック2006』
『DesignLiving spring2006』
『リフォームハンドブック 2006』
『住宅建築 2005.08号』
『新建築 2005.06号』
『更新する家 リノベーション』
①大きなワンルーム
大きなワンルームをカーテンや縦型ブラインドなどで柔らかく仕切ります。
②大判のタイル
LDK全面に大判のタイルが部屋全体を広く繋がりを持って演出します。
③飼い犬だけが自由に往来
カーテンやブラインドは、床から40cmほど裾が短くなっていて、クライアントの飼い犬だけが自由に行き来できます。
クライアントの気分が開放的な時と篭りたい時、大きなワンルームを用意して自由に空間を変えられる様に壁ではなくカーテンやブラインドを使いました。
他人から見たら住めないとか、面倒臭いとか、いろいろな意見が出ます。
でもそれは当然のこと、その家族のためだけの家を作っているんですから。
その家族ためだけの家があるはずです。
映画のセット。
簡単に空間を変えたり演出したり、閉じたり開いたり、柔らかくバラエティーに富むことでクライアントの気分に応えました。
太田諭(スタッフ)