都内のマンション1室のフルリノベーションです。
改修前は、複数の個室に細かく間仕切られていた為、風通しが悪く、特に北側の室は、日中でも薄暗い寒々しい空間でした。
そこで私たちは、不要な壁を全て取っ払い、南北に窓があるという、この室の最大の特徴を素直に活かしたオープンな空間を提案しました。
南北に爽やかな風が走り抜ける、風の通り道のような空間です。
コンクリート構造壁と水廻りスペースの間仕切壁以外、天井まで届く壁は設けていません。オープンな空間は、引戸や什器、布製パーティションなどによって適度に仕切られ、適度に繋がります。
素材感あふれる空間をテーマに、炭入モルタル、コンクリートブロック、足場板、鉄粉の錆塗装、ブラックウォールナットの無垢フローリング、バイブレーション仕上げのステンレス板、ラワン合板などなど、個性あふれる素材を適材適所に使い分けています。また、コンクリートの構造体には敢えて塗装などの仕上げを施していません。一部、壁紙の下地であったモルタル壁に白いパテの痕も残りますが、これも味として敢えて残しています。
よい意味でざっくりとした簡素な間取りと、個性あふれる素材で構成した空間は、余計な飾りを必要としない「素の空間」となりました。
クライアントの好きな「青」をテーマにオリジナルにデザインした柔らかいショールのような藍染めの「布の壁」は、視線を適度に制御するほか、ゆらぎ、ひらめくことで、風という見えない空気の流れを可視化し、癒しを与えます。
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