建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
LiVESの家
2016年11月 7日

リビングの前がドッグラン!
大小の庭で外とつながる家

ドンコロの家

実家から譲られたのは、畑に囲まれた500㎡の大きな敷地。ドッグランをはじめ、家の内外の庭が犬たちの感覚を刺激する。

text_ Hiroko Akamatsu photograph_ Takashi Daibo

0547a05e-7f24-4018-91ca-2673bca4874b
キャンバスに追加する
写真を拡大する

砂利の洗い出しで仕上げたリビングの床は滑りにくく、犬たちの脚や関節にやさしい。構造材そのままの天井が、ラフであたたかな雰囲気を醸し出す。

ドンコロの家

(兵庫県加西市)

設計
シキナミカズヤ建築研究所+OUVI
住人データ
夫(38歳)会社経営、妻(35歳)写真家

7d44209b-0027-415f-b5f3-45fd337ae611
キャンバスに追加する
写真を拡大する

家の正面。大きなガレージの扉の横に、玄関へ続く細長い通路がある。

レッドシダーを張った焦茶の外壁。正面に設けたガレージの木製扉が納屋のような印象を醸し出す。
この家に暮らす藤岡さんご夫妻は、シキナミカズヤ建築研究所の敷浪一哉さんに設計を依頼。「田舎の景色になじむ、小屋のような家にしては」という提案に夫婦揃って賛同した。

A5205649-dfe2-4bc0-bdbd-7cbbf82dfd24
キャンバスに追加する
写真を拡大する

細長く伸びた書斎は程よくこもり感があり、落ち着く空間。小さな窓から山が見える。壁一面の造作の棚に、本や雑貨を飾りながらたっぷり収められる。

9d32fa29-d042-4490-a041-2f6478cb46b3
キャンバスに追加する
写真を拡大する

リビングの洗い出しの床には青いガラスが所々まざっている。

13歳で見送ったコロッチにはじまり、実家やペットOK のマンションで長年フレンチブルと一緒に暮らして来た寿美さん。同じくフレンチブルを愛する敷浪さんとは、敷浪さんの奥さまとインターネット上で交流していたことがきっかけで知り合った。そのつながりで見た敷浪さんの住宅系コラムの記事に共感。実際に建てられた家の写真も見て「いつか家を建てるときは敷浪さんに依頼しよう」と決めていた。7年前に大剛さんとの結婚が決まり、新居用に大剛さんの実家前の土地を譲ってもらうことになって、念願がかなった。

A58909ee-8685-46c4-ae69-3dc65906297a
キャンバスに追加する
写真を拡大する

バイクの収納と遊び場所を兼ねて設けた大きなガレージ。薪やアウトドア用品を保管しておくのにも便利。大きな木製ドアが外観のアクセントになっている。

約500㎡という広さを活かして敷浪さんが提案したのは、内と外がいくつもの庭でゆるやかにつながる家。塀で囲んだドッグランをはじめ、玄関ドアの前の小さな庭や、ダイニング横の坪庭、家の前庭など、犬が外の空気を感じられるスペースをたくさん設けた。家の中もトイレと収納の周りを細い通路で回遊できたり、行き止まりのような書斎があったり、隙間のような小さな空間があったりと、まるで迷路のような間取り。犬たちが探索を楽しむための工夫だ。

9c90f242-b351-4923-8adb-871c178be3dd
キャンバスに追加する
写真を拡大する

ギリシャリクガメのチーミーは、普段は寝室の水槽で暮らしている。

床を砂利の洗い出しで仕上げた広々としたリビングは、 大きな窓で外のドッグランとつながり、半屋外のような趣き。ひんやりとして滑りにくい砂利の床は、暑さが苦手で脚の関節が弱いフレンチブルにとって最適だ。構造材をむき出しにした天井と相まって、個性的な空間に仕上がった。一角には大剛さんたっての希望で、薪ストーブを設置した。

87a546c9-98c0-4113-ba75-4a506012c927
キャンバスに追加する
写真を拡大する

リビングの窓枠を壁のなかに隠してドッグランとの一体感を高めた。ダイニングとの境を細い壁で仕切り、空間にメリハリをつけている。一段上がった奥は寝室。

4d6dd02e-36d3-43fe-a6ba-0d1338d11a6f
キャンバスに追加する
写真を拡大する

ドッグランの塀には外からも出入りできるドアをつくった。

モルタル、無垢材のフローリング、砂利の洗い出しと、3種類の床の好きな場所で、くつろぐ犬たちと猫。部屋のあちこちで育てている植物が、みずみずしい彩りを添える。

A91fc377-07f2-4762-b708-177c837c9891
キャンバスに追加する
写真を拡大する

11歳になるアカさんは甘えん坊。かまってもらえないとぐずるので、寿美さんが台所で作業をしている間、アンティークのカゴに乗せて近くに置いている。

E363f1fd-f2b3-4727-8b82-526157bfaf34
キャンバスに追加する
写真を拡大する

書斎の窓の奥には坪庭と細い通路が続き、玄関や外の風景が一直線に見渡せる。細長い書斎にこもっていても、窓から遠くに視線が抜けるので、圧迫感がない。

05eab239-d529-4db9-a27d-50d9a69d6345
キャンバスに追加する
写真を拡大する

書斎の棚に飾った、フレンチブルグッズのコレクション。寿美さんはフレンチブル専門誌で連載を持つカメラマンとしても活躍している。

犬と暮らすことの楽しさを教えてくれた今は亡き愛犬、どんぐりとコロッチにちなんで、『ドンコロの家』と命名。結婚して初めて犬や猫と暮らすようになった大剛さんは、今では一緒に眠るほど仲良くなった。
「お二人が自分たちらしくこの家を住みこなしてくれているのが嬉しいですね」と、敷浪さんは目を細める。

Bfc004c5-0088-43d7-badf-6cbcad149d61
キャンバスに追加する
写真を拡大する

建物の奥にある寝室。フローリングの床に布団を敷いて寝ている。

9748fc67-261d-499f-9d22-b2db06f66911
キャンバスに追加する
写真を拡大する

ダイニングの横には坪庭があり、しっとりとした風情を見せる。

E29037b8-fe63-4da8-811d-71ea0e80e8ea
キャンバスに追加する
写真を拡大する


〈物件名〉ドンコロの家〈所在地〉兵庫県加西市〈居住者構成〉夫婦+犬3匹、猫1匹、亀1匹〈用途地域〉市街化調整区域〈建物規模〉2階建て〈主要構造〉木造軸組〈敷地面積〉499.00㎡〈建築面積〉117.59㎡〈各階床面積〉1階 94.19㎡、2階 13.45㎡ 計 107.64㎡〈建蔽率〉23.57%(許容 60%)〈容積率〉21.58%(許容 160%)〈設計〉シキナミカズヤ建築研究所+ OUVI〈構造設計〉OUVI〈施工〉神東建設〈設計期間〉4年5ヶ月〈工事期間〉8ヶ月〈竣工〉2014年〈総工費〉2,500万円


※この記事はLiVES Vol.80に掲載されたものを転載しています。

※LiVESは、オンライン書店にてご購入いただけます。
amazonで【LiVES】の購入を希望される方はコチラ

関連する記事

前の記事

「タルマーリー」は“パン屋”じゃなくなった? 渡邉夫婦...

次の記事

暮らしのものさしを再構築してつくる、食べものやエネルギ...