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記事作成・更新日: 2021年 6月26日

【実例つき】3,000万円使って2×4工法(ツーバイフォー工法)ならどんな家が建てられる?

耐震性や断熱性に優れている2×4工法(ツーバイフォー工法)はハウスメーカーや工務店を中心に建てられていますが、なかでも2,000~3,000万円の価格帯の注文住宅を検討する方が多いです。

今回は、3,000万円を使って2×4工法(ツーバイフォー工法)ならどんな家が建てられるか、解説をしていきます。

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2×4工法(ツーバイフォー工法)の間取りの特徴

2×4工法(ツーバイフォー工法)は北米で生まれた工法ですが、2×4材がホームセンターなどでも売られるようになり、以前よりは知名度は高まっています。

2×4工法(ツーバイフォー工法)は耐震性や耐火性、気密性にも優れているため、壁や間仕切りを減らしたオープンな間取りや吹き抜けなどの間取りが可能になります。

また、2×4工法(ツーバイフォー工法)の外観と言われると、カントリー調の輸入住宅を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、2×4工法(ツーバイフォー工法)はあくまでも工法なので、選べる屋根や外壁の種類も多く、都市型住宅や和風住宅など、さまざまなデザインの外観に仕上げることができます。一方で、内装はフローリングの木材にこだわるなど、木の温もりが感じられる空間が人気です。

一般的な3,000万円の注文住宅はどんな間取りか

一般的な3,000万円の注文住宅は、大手ハウスメーカーなら30~35坪程度、ローコスト住宅なら45坪程度の家が建てられ、平均すると40坪前後の家が人気です。日本の注文住宅の平均坪数が38坪程度ですので、40坪は平均的な大きさより多少広い住宅だと考えてください。

30坪程度の家ですと間取りは3LDK、40坪程度の家ですと間取りは4LDK~5LDKが中心になります。40坪程度の家は多少広さにも余裕があるので、LDKや個室以外にも複数の収納や多目的スペースをもうける方も多いです。

また、40坪なら二世帯住宅も可能です。40坪は完全分離の二世帯住宅にするには、少し面積が小さいですが、キッチンや浴室など一部を共有する形ですと、十分に可能です。また、45坪程度なら、親世帯と子世帯が玄関、LDK、浴室など全てを分離した完全分離の二世帯住宅も可能です。

3,000万円でどのような家が建てられるか

次からは3,000万円で建てられる住宅の実例を4つ紹介していきます。外観のタイプが4つとも違うので、さまざまなタイプの2×4住宅の外観がお分かりになるかと思います。また、木材の温かみが感じられる部屋や開放的な空間も感じられるでしょう

4.5帖バルコニーでプライバシー確保して開放感を

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東京の住宅密集地に建てられた5LDKの住宅は、玄関からすべてが別になっている完全分離型の二世帯住宅です。こちらの住宅の予算帯は3,000万円未満ですが、50坪前後の住宅なので、完全分離の二世帯が可能になっています。

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1階が親世帯、2階が子世帯になっていますが、2階の子世帯のリビングは屋根の高さを上げて、天井高が4mの開放感のある造りになっています。このような開放的な空間は2×4工法(ツーバイフォー工法)が得意としている造りです。

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ドライウォールと無垢材の家 (レンガの家)

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存在感のある総タイルの外観が印象的な4LDKの住宅は、神奈川の海の近くにあります。フローリングや建具、サッシだけでなく、造り付けのアイランドキッチンや洗面化粧台にも木材がふんだんに使われていて、温かみのある空間になっています。

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日本の住宅の窓はアルミサッシが中心になりますが、輸入住宅などでは木製サッシが使われることも多いです。また、上下に開く窓はおしゃれなデザインの窓が多く、インテリアのアクセントにもなります。ルーフバルコニーを設け、素敵な海の景色を楽しみながらひと時を楽しむことができます。

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国産材と外材を活かしたトリコロールハウス

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こちらも神奈川の海の近くに建てられた5LDKの住宅です。ブルーグレイとクリア塗装のカラマツと米杉が目をひくデザインで、海風の塩害対策も完璧です。

大胆な吹き抜けのあるLDKは開放感があり、家族みんなが落ち着ける空間です。こちらも気密性の高い2×4住宅ならではの造りです。

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リビング部分にもうけたロフトは子どもにとっては秘密基地のようで、親御さんはLDKにいながら、子どもの気配を感じ、家族のつながりが実感できます。

LDKの窓際にはパソコンのためのスペースをもうけていますが、テレワークの増加に伴い、このようにリビングに多目的スペースをもうける方は増えています。リビングでの子どもの勉強や読書など家族の趣味のスペースにもぴったりです。

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北沖洲の家

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徳島県に建てられた6LDKの二世帯住宅です。親世帯が1階、子世帯が2階になっていて、どちらのフロアにも南側にもうけた大きな開口部から温かい光が差し込みます。室内の壁は漆喰(しっくい)仕上げですが、木材を効果的に使い、洗練された印象になっています。

外壁には耐用年数が高い、ガルバリウム鋼板(アルミニウムと亜鉛合金のメッキ鋼板)を使っており、クールな印象になっています。このように、2×4工法(ツーバイフォー工法)でもさまざまな外観が可能です。

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まとめ

3,000万円を使って建てられる2×4住宅の実例を紹介してきました。漠然と3,000万円といいますが、設計や施工をお願いをするハウスメーカーや工務店、設計事務所によって、建てられる大きさや間取り、デザインなどは大きく変わります。予算やご家族の要望に合わせて、理想の家を形にしてください。


文:渡辺藍(一級建築士・宅建士)

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