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暮らしのものさし
記事作成・更新日: 2015年 8月 6日

“買う”から“つくる”にシフトしよう! 女子目線でDIYの楽しさを伝える、ハンドメイド作家の小屋づくりコミュニティ「小屋女子計画」


「暮らしのものさし」では、ただ消費者として暮らしを営むのではなく、自分の暮らしをデザインする、“暮らしのつくり手”たちを紹介しています。※この特集は、SuMiKaとgreenz.jpが共につくっています。


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トレーラーハウスの上棟式にて、餅まきをする小屋女子計画のみなさん

本棚やスツールなど、自分でつくってみたいと思ったことはありませんか?

でも、いざDIYをしようとすると、材料や工具はどうしよう…と、立ち止まってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回ご紹介する「小屋女子計画」は、「つくることのできるものは、何でも自分でつくっちゃおう!」を合言葉に集まったハンドメイド作家たち。

自作トレーラーハウスや小屋のカフェ、自分の家をつくるなど、まさに“小屋女子”なのですが、小屋に限らず、手づくりすること全てをDIYと捉え、自分たちも楽しみながら、つくることを広めています。

今回は、そんな「小屋女子計画」の活動の背景にある思いを聞きました。

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小屋女子計画 2012年の立ち上げから、独自の目線で小屋を製作。
2015年4月に「小屋女子計画 DIYで暮らすインテリアの本」を出版。現在なお、意欲的に活動中

手を動かして、一緒につくろう!

「小屋女子計画」は、東京と長野に本社を持ち、建築関係の書籍や新聞を手がける新建新聞社の事業の一環として、2012年にスタートしました。

メンバーは9名。メンバーそれぞれがハンドメイド作家としての顔を持ちながらも、“小屋”をテーマに集まっているところが「小屋女子計画」の大きな特徴です。

年に一度、東京ビックサイトで開催される日本ホビーショーなどの出展を中心に、これまでにトレーラーハウスや「小屋女子@カフェ」などの小屋から、自分たちの作品を飾るための什器(じゅうき・商品棚のこと)まで、様々なものをつくってきました。

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千葉県茂原市で製作したトレーラーハウス。とにかく笑いの耐えない現場だったそう

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多肉植物と菜の花アクセサリーがテーマの作家hanaさんの小屋。
作品が際立つ雰囲気を大切にしたつくりに

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ホビーショーの会場でひときわ”手づくり”の世界観を醸し出していた小屋女子計画のトレーラーハウス。
現在は千葉県にある菅沼建築設計のショールームとして使われています

自作トレーラーハウスや「小屋女子@カフェ」などは、安全性への考慮から建築士や大工さんと一緒につくったそうですが、個々で活動しているクラフト作家が集い、それぞれの視点を加えることで、“女子”らしい小屋が生まれているところが「小屋女子計画」の魅力です。

また、ステンシルのトレーづくりなどのワークショップを積極的に開催し、誰でもすぐに真似できるようなDIYを提案しています。教えるのではなく、一緒につくることを意識しているのだとか。

新建新聞社が発行する”新建ハウジング”はもちろん、テレビ出演や本の出版など、様々なメディアで取りあげられ、公認ではないものの「小屋女子支部」を名乗る人があらわれるほど、その活動の輪は広がっています。

買う、から、つくるへ。豊かさを考えるきっかけに

いま注目を集めている「小屋女子計画」ですが、その立ち上げにはどんな背景があったのでしょうか?「小屋女子計画」を担当している新建新聞社の藤井生美さんに伺いました。

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新建新聞社の藤井生美さん。メディアとして伝えるだけではなく、
実際に手を動かしてDIYの楽しさを伝える場づくりに興味を持つ。
上司とともに構想をたて、現在9名の手づくり作家とともに小屋女子計画の運営に携わっています
(c) Photo Office Wacca : Kouki Otsuka

新建新聞社では、タイニーハウスが注目を集める中、このムーブメントをメディアとして伝えるだけでなく、たくさんの人を巻き込んで、自分自身も一緒に手を動かしつつ、この楽しさを広めたいと考えていたそうです。

そんな背景の中、2012年秋、あるハンドメイド作家のブログを藤井さんの上司が見つけます。そこに書かれていたのは、「これをつくりたい!」と言った子どもに対して「買ってあげる」と母親が答えた、という内容でした。

藤井さん その作家も、何かおかしいと感じたのでしょうね。子どもの「つくりたい」という意思を、ただ単に「それが欲しい」と捉える大人が多いとするならば、それは寂しいなって。だから、何でも買うのではなく、つくることを考えてみるようなきっかけをつくりたい、そんなプロジェクトを立ち上げたいと思ったんです。

ブログを通じて出会った木工作家、布作家といった様々なジャンルの作家たちの「自分がつくるだけでなく、DIYの楽しさを伝えたい」という想いと、新建新聞社・藤井さんたちの想いが重なって、「小屋女子計画」としての活動がスタート。

以来、9名のハンドメイド作家が定期的に新建新聞社東京本社に集まり、話し合いを重ね、2013年にはホビーショーでの小屋デビューを果たしたのです。

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2014年ホビーショー出展の様子。2階建ての小屋を建て、外壁に漆喰塗りをしたり、
2階でワークショップを体験することができる「小屋女子@カフェ」を実現しました

DIYは、材料の調達はもちろん、完成するまで時間も手間も必要です。それでも、つくることで世界にひとつしかない自分だけのものを手に入れることができたり、職人の技術の尊さを学んだり、本当にお金を使うべきことは何かと考えたりすることに、つくることの意味があるのではないか。小屋女子計画のメンバーとともに、そんな議論を重ねたそうです。

料理、編み物…。DIYは、暮らしの中の、“手づくり”すべて

「小屋女子計画」のミッションは、日常の些細なことから、手づくりの楽しさを伝えていくことだとと藤井さんは言います。

藤井さん 「小屋女子計画」のDIYは、手づくりすべてを指します。料理も編み物も日曜大工もすべて。そう大きく捉えることで、誰でも入ることができる世界をつくりたいんです。そして、それが暮らしにつながることが大切だと考えています。

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新建新聞社東京本社での、小屋女子計画ミーティング。
女子会のような賑やかな雰囲気ですが、話題は小屋やツリーハウス…と、どこまでも小屋女子
(c) Photo Office Wacca : Kouki Otsuka

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イベントのため製作された、小屋女子新聞。これまでの活動や想いのつまった、他にない新聞に
(c) Photo Office Wacca : Kouki Otsuka

小屋女子計画のメンバーは、DIYのプロではありません。でも、プロである必要はないのです。料理も、一流のシェフでなければつくれないということではありません。DIYも同じ。多少の道具を揃えることが必要かもしれませんが、これも料理や編み物、つくることにはすべて当てはまることなのです。

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木工作家の今井経子さんが手がけるミニ小屋キット”CoCoya”。
小屋女子計画に参加してから、自身のハンドメイドブランド以外にもやりたいことが増えたそう

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布作家のタナカリカさん。小屋女子計画の立ち上げから関わるコアメンバーのひとり。
「自分にとってDIYは、少し立ち止まって暮らしの豊かさを考え直すきっかけだった」と言います
(c) Photo Office Wacca : Kouki Otsuka

ちなみに、小屋女子計画のみなさんは、小屋でつながった人を“こやとも”と呼ぶのだそう。そうして“こやとも”の輪が広がっていったその先には、誰もが暮らしをつくることを豊かだと思える社会がありそうです。

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小屋を女子でアピールしたい!女子力頂きました! (c) Photo Office Wacca : Kouki Otsuka

次につくるものは何ですかと聞いてみると、「ツリーハウスです!」と答えながらも、「高いところが苦手なメンバーもいるので、ものすごく低いツリーハウスをつくりたい!」など可愛らしさものぞく「小屋女子計画」。

毎日の暮らしの中で、知らず知らずのうちにお金で買うという手段で済ませてしまっていること、言い換えると、誰かに任せてしまっていることを自分の手に取り戻し、チャレンジしてみる。

さらに、「小屋女子計画」のみなさんのように、心から楽しんでやってみる。そうすることで、より自分らしい生き方を手に入れることができるのかもしれません。

空き瓶に好みの布を巻いて、花を生けてみる。ナイフで木を削って、小さなスプーンをつくってみる…。大きなDIYでなくても、入り口はなんだっていいのです。

小屋女子計画のこと、DIYのこと、気になったら、まずは「小屋女子計画」に会いに行ってみてください!そして、みなさんも手を動かして、ほしいものをつくってみませんか?

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