建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
記事作成・更新日: 2015年10月 8日

楽しいアクティビティがいっぱい。
子どもたちと一緒に育てていく家

こどもと毎日がたのしい家

限られた空間を逆手にとって、家族みんなが集えるワンフロアに。奥行きを見せるための段差は、子どもたちにとって無限大の遊び場。

text_Junko Fukushima photograph_ Takashi Daibo

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ファミリースペースからLDK を見る。抜けのある空間は、どこにいても家族の気配を感じられて安心。
絵本を飾るためのニッチだって4 歳児にとっては階段がわり。

三滝の家(広島県)

設計
ハンクラデザイン
住人データ
Kさん(美容師)、Yさん(スパニスト)、
Aくん(小学生)、Tくん(園児)、Hくん(幼児)

キャンバスに追加する
写真を拡大する

三角窓が山の緑と空を切り取る、居心地のいいLDK。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

完全分離の二世帯住宅。外観は耐久性の高いグレーのガルバリウム鋼板にヒノキを組み合わせた、あたたかな印象。

ご主人の実家でご両親と同居していたKさんご夫妻は、
3人目の子どもができたのを機に、
使いにくさを感じていた家の建て替えを決意。
広島市内で美容院を経営するKさんは、以前、
店舗改装の依頼を検討したことのある
ハンクラデザインの島谷将文さん、寿美礼さんに新居の設計を託した。

「店舗では工期が調整できず、
 お願いすることができなかったのですが、
 つくってもらった図面を見て、
 そのセンスの良さとこだわりの強さがうかがえました。
 自分の家を建て替えるときは、
 絶対にお願したいと思っていたんです」(Kさん)

キャンバスに追加する
写真を拡大する

リビングの床下収納。段差によって生まれるデッドスペース
を活用して、収納スペースを可能な限りつくっている。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

脱衣室や階段室との間仕切りには、
ガラスを用いて視界を確保。

Kさんの希望は1階が両親、2階にKさんご家族が暮らす
完全分離の2世帯住宅。
限られたスペースを最大限に活かして、
夫婦と3人の男の子たちがのびのびと過ごせる空間が求められた。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

階段下に棚を設けて、家族みんなのシューズをきれいに収納。
正面の扉から1階の親世帯の住居へ出入りできる。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ファミリースペースの上に設けたロフトからリビングを
見下ろす。天井は屋根組を見せて高さを出している。

島谷さんが導いたのは、段差を使ったワンルームプラン。
30パターン以上の図面を描いて検討を重ね、
最終的に完成したのは、

「入口から奥に進むにつれて、登るように段差を連ねることで、
奥行きのある空間をつくり出しました」(島谷将文さん)

キャンバスに追加する
写真を拡大する

回遊できる間取りは、子どもたちが走り回るのに最適。
毎日、元気な笑い声や泣き声が響き渡る。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ファミリールームからリビングへ上がる階段は可動式。
中を空洞にして収納スペースとしても活用。

この段差は、やんちゃ盛りの子どもたちにとって、格好の遊び場。
自在にフロアを駆け回り、新しい楽しみ方を見つけていく。
また、LDKとファミリールームの間にある壁や天井付近の三角窓など、
空間に抜けを設けて視覚的な広がりも確保。
キッチンに立つと家中がすべて見渡せるのは、
忙しく家事をこなすYさんにとっても心強い。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

家の中がぐるりと見渡せる見晴らしのいいキッチン。家事をしながら子どもたちの様子が見守れる。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

収納するものを採寸してオーダーした造作キッチン。必要なものがコンパクトにまとまって使いやすい。

床はポプラ合板、壁はシナ合板を採用。
本来は下地材として使う建材で仕上げたのには理由がある。

「どんなインテリアにも合うシンプルな空間になるから。
 家具を増やしたり、色を塗ったり、
 フローリングを張ったり…。
 家族の生活スタイルに合わせて
 模様替えを楽しみたいと考えています」(Kさん)

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ファミリールーム。子どもたちが遊ぶほか、家族で寝る、洗濯物を干すなど、多目的に使っている。
必要に応じてカーテンで仕切ったり、照明を移動することができる。

LDK以外の部屋は、子どもが小さく、
家族がひとつの空間で過ごすことが多いうちは、
プレイスペースとしても寝室としても使用できる
ファミリールームだけで十分。
必要に応じて、カーテンで間仕切りしたり、壁を設けることもできる。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

家の雰囲気に合うよう、
転落防止の木製フェンスは大工さんのお手製。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ニッチはご夫妻の強い要望。絵本などを飾るスペースに。

ライフスタイルの変化と、家全体を遊び場に変えてしまう
元気いっぱいの子どもたちをあたたかく受け止める、
包容力のある住まいである。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

〈物件名〉三滝の家〈所在地〉広島市〈居住者構成〉両親+ 夫婦+子供3 人〈用途地域〉第
一種住居地域〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉238.84㎡〈建築面積〉72.46㎡〈床面積〉1 階 66.66㎡、2 階 72.46㎡、合計 139.12㎡〈建蔽率〉30.34%(許容60%)〈容積率〉58.25%(許容200%)〈設計〉HANKURA design〈施工〉山尾工務店〈構造設計〉堀江 聡〈設計期間〉5 ヶ月〈工事期間〉6 ヶ月〈竣工〉2013 年


※この記事はLiVES Vol.74に掲載されたものを転載しています。
※LiVESは、オンライン書店にてご購入いただけます。
amazonで【LiVES】の購入を希望される方はコチラ

関連する家づくりカテゴリー

おすすめ

前の記事

欲しい家具がないから、 DIYキットをつくっちゃった...

次の記事

キャットウォークで2匹の猫ちゃんも満足!リノベで生まれ...