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2016年 3月30日

住宅地に電車?
リノベ+新築で 土地の物語を受け継ぐ

プラットホーム

地域住民の憩いの場だった電車がある土地にプラットホーム風の平屋を新築。
車両の外装と内部を改装して、趣味と子どもたちのスペースに。

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新築部分はプラットホームを思わせる片流れの屋根。
車両とは対照的にシルバーとブラックのガルバリウムでモノトーンにまとめた。

プラットホーム

(兵庫県高砂市)

設計
一級建築士事務所CONTAINER DESIGN
住人データ

浩輔さん(31歳) プレカット工場勤務
早紀さん(29歳) アルバイト
     長男(5歳)、長女(3歳)

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冬は薪ストーブで暖をとる。採光も十分。

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LDKから玄関方向を見る。玄関から車両入口までの床は犬走りの基礎コンクリートに合わせてモルタルで仕上げた。

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ご夫妻が集めたアメリカ雑貨がぎっしり収納されたニッチ。左上にはロフトが覗く。左手前の箱は車両入口のステップ兼収納。

「キンダーガーデン」という愛称で長らく近所の子どもたちの遊び場となっていた土地をご両親から譲り受けた木村浩輔さん。

ご自身も幼少期から慣れ親しんでいたというこの場所は、30年ほど前、当時小学校の校長を務めていた大叔父さまが電車をレッカーしてつくり上げた物語のある土地でもある。その電車の隣に寄り添うように2013年、平屋建ての住宅を建てることになった。

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階段は既存。連結部分の貫通幌は古くなっていたため撤去。

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車窓からの眺め。普段は施錠したまま使用している。

設計を担当したCONTAINER DESIGN の岸本貴信さんは、

なんでこんな所に電車が? と疑問に思って木村さんに話を伺ったところ、もともと地域住民の憩いの場として開放されていたということを知りました。そして車両の中を拝見させてもらうと、当時の新聞記事のスクラップや感謝状などが飾ってあり、この電車が地域に貢献し、住民から親しまれていたことが伝わってきたんです。それでこれは撤去してはいけない、次はこの家族のため、木村さんのお子さんのために残すべきだと思いました

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車両内部。奥が趣味スペースで手前が子どもスペース。
中央は土間で仕切り、カリモクの3 シーターソファと子ども用ラグを置いた。

車両は昭和42年製造の山陽電車で、元のボディカラーはクリームとブルーのツートン。錆びていた塗装の上から改めて木村さんご夫妻の好みのオレンジとグリーンに塗り替えた。内部壁面に使用した構造用合板は新築部分と共通の素材で、これ以外に杉板30㎜の床材と照明の白熱球などを合わせて採用している。

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やや斜めの動線の入口。LDK からも車両が眺められる。

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リビングと同じ杉板の床材を張った子どもスペース。

合板は便利ですね。釘を打ったり、貼り紙をしたり、あとからいろいろ付け足すこともできますから

と浩輔さん。職業柄DIYが得意で、素材も勤務先から調達したという。新築部分の要望については、

他人とかぶらない家。あと、子どもの成長とともに変化できる家がいいと思っていました。初期プランでは、今ロフトがある部分に半2階をつくる予定でしたが、子ども部屋を電車の中につくることにしたのでその案はなくなって。いずれ巣立っていけば必要なくなるので今は良かったと思っています

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木村さんご夫妻の要望を受け、初期プランから少し広めに変更されたLDK。
車両内部と同じ構造用合板と杉板の床材の組み合わせ。

車両内の残り半分は趣味スペースとして活用。友人と飲み会をしたり、上棟式の場としても早速使用した。

家具を置いてカフェにするのも良いですね(浩輔さん)

と夢も広がる。リノベーションを経て再出発した地域のランドマーク的電車。新築部分はプラットホームとして、今後は家族の憩いの場になることだろう。

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1960年代に製造されていた山陽電鉄300形電車とわかる「332」の数字。

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窓枠や優先座席のステッカーなど、現役時代の名残をあえてそのままに。

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デッキにつながる浴室と洗面。シンクは大工職人による造作。

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〈物件名〉プラットホーム〈所在地〉兵庫県高砂市〈居住者構成〉夫婦+子供2 人〈用途地域〉用途指定なし〈建物規模〉地上1 階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉236.50㎡〈建築面積〉86.77㎡〈床面積〉1 階 69.97 ㎡、ロフト 4.96 ㎡、合計 74.93㎡〈建蔽率〉36.69 %(許容60.00%)〈容積率〉19.14%(許容200.00%)〈設計〉岸本貴信/一級建築士事務所 CONTAINER DESIGN〈施工〉宍粟住建〈設計期間〉6 ヶ月〈工事期間〉6 ヶ月〈竣工〉2013 年〈総工費〉1,800 万円


※この記事はLiVES Vol.77に掲載されたものを転載しています。
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