敷地は駅前商店街脇の住宅密集地に位置する旗竿形状の土地で、周囲を雑居ビルに囲まれている。
住宅と音楽スタジオの2つの機能が求められた。
駅前路地裏の細い前面道路は人通りが多く、雑居ビルの背面が敷地を取り囲んでいる。
敷地全体を音楽スタジオと住宅のそれぞれにとって豊かな環境として有効化することを模索した。
敷地の竿部分を2つの機能へのアプローチとして空地のまま有効化し、敷地の旗部分に最大限のヴォリュームを立ち上げ、その中に立体的な外部を取り込むことで、プライバシーの保たれた豊かな環境を成立させている。
1階に音楽スタジオ、2・3階に住宅を積層し、1階をRC造、2・3階を木造として機能毎に必要な構造を与え、機能毎に異なる表情を与えている。
黒く染色された竿部分の土間は1階のロビーから、その奥の中庭まで連続し、2・3階の住宅部分の中庭へと開放される。
ロビーから製作スタジオ、演奏ブース、レッスン室兼演奏ブースへとアクセスする。
住宅部分は両端に中庭を設け、通風と採光を確保し、プライバシーの保たれた豊かな住環境を形成している。
竿部分の階段から中庭へアクセスし、2階に配置されたLDKと2つの中庭が連続している。
掘込まれたLDK中央部はソファと中庭床面の高さを合わせており、座った時に、中庭とより連続するように構成している。
3階に寝室等のプライベートな個室群を集約させ、2階のLDKから斜め柱によって持ち上げられている。
中庭に向って張り出された3階にテラスは、1階の音楽スタジオロビーの中庭と共に、立体的な空地として最大限のヴォリュームの内側に豊かな環境を与えている。
雑居ビルに囲まれた旗竿敷地において、閉じつつも内部に立体的な空地を構成することで、プライバシーの保たれた開放的で豊かな環境が実現した。
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