いなかのいえ inakanoie
TDYリモデルスマイル作品コンテスト2011
自然と共生するリモデル部門 優秀賞 受賞
http://re-model.jp/contest/contest2011/plan021.html
定年退職後に田舎に戻ったご夫婦の為の家です。築120年以上の養蚕民家をリノベーションいたしました。敷地は長野県飯田市、天竜川と中央アルプスを望む高台にあります。
増改築を重ね、ほどんど原型をとどめていませんでした。建て替えも検討しましたが、所々に見える梁と柱、家族が集ってきた場の迫力に惹き付けられ住み継ぐことを選びました。痛みの激しい増築部、梁や柱を隠していた造作材は全て解体し本来の田の字型プラン、フレームに戻すことからアプローチし、予算の関係から断熱空間を限定しました。
家族が集ってきた既存居間(かつては土間)を中心に構造的に独立した新しい3つの箱を挿し込みました。箱空間は構造的な取り合いから軸組空間のグリッドからわずかにずらしましたが、新しい箱と既存のフレーム、濃度の異なる空間の対比も意識しました。
南側の採光と景色を切り取る開口、バリアフリーに対応する動線を考慮し、居間に自然と箱が集まる配置となりました。箱と箱の余白に内部のアクティビティがこぼれだし、田舎ならではのいろいろなコミュニケーションの場をつくっています。
天竜川を望む浴室の箱は畑仕事からかえった足を洗う場所であり、
長い休みに滞在する孫達の水遊び場であり、
南に面したキッチンの箱は近所の人からお裾分けの野菜をもらいながらお茶が出来る場所。
家族の歴史を感じる懐かしい空間と新しい空間の共存、住み継ぐ形が一つ見つかったような気がしています。
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