埼玉県の昔ながらの田舎の住宅に建つ、大正九年の蔵のリノベーション。
築年数としては100年近く、彼方此方、洋服の継ぎ接ぎの様に手入れが観られる蔵です。
現在の建売住宅とは違い、日本の木造らしさが残り、手入れが有ってこその良い保存状態でした。
一階部分は、既存のまま物置と使用し、二階部分を事務所として機能させる為に、
先ずは電気の引き込みから工事が始まりました。
それに付随して、照明計画を行こない、「碍子」(ガイシ)の採用を決めました。
今でこそ聞き慣れない「碍子」ですが、昔から日本で電線を固定する陶器製の部品であり、現在でも電柱の電線の絶縁体などに使用されている電気器具の付属品です。
大正九年からの蔵を、どの様に建築として現在に刷り込ませられるか。
また、どの様に継承できるかを考え設計しました。
「碍子」を施工できる職人も少なく、技術の継承も行える工事内容となっています。
壁に関しては柱を生かし、学生や地域の方々で漆喰で仕上げ、
床に関しても杉材を使用し、全て天然素材で仕上げています。
改修工事を終え、今までの100年から、これからの100年に向けて使用、保存できる素材を選定し、継承する事を考えさせられた案件です。
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