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LiVESの家
記事作成・更新日: 2016年 8月24日

家づくりで知った、飾る楽しみ。
厳選した雑貨で空間をアレンジ

VINSTA

ベースはシンプルに仕上げ、ブリックタイルでアクセントをつける。大量のCD やDVD、家具や雑貨、照明、植物などが彩りを添える。

text_ Yasuko Muratau photograph_ Takuya Furusue

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ブリックタイル、古材風のフローリングがポイントとなったLDK。存在感のある梁はガーランドやステッカーで飾り、インテリアに溶け込ませた。「Antistic」で購入したブリキの星が部屋のシンボル。

VINSTA

(東京都品川区)

設計・施工
nu(エヌ・ユー)リノベーション
住人データ
夫(34歳)編集者、妻(37歳)パート勤務、長女(4歳)
住宅購入を機にインテリアショップをまわり、ヴィンテージに詳しくなったご夫妻。奥さまは音楽、ご主人は映画が趣味。

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窓辺にはグリーンネックレス、セロームなどの植物を飾る。植物は「TRANSHIP」で購入することが多い。

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玄関の壁は、ドライフラワーやアルファベットプレートでデコレーション。

白いブリックタイル、オークフローリングなどのヴィンテージ調の仕上げ、照明、雑貨、小物、植物などをちりばめながら、センス良く飾られた空間だ。ここに住むのは、Tさんご夫妻と娘さんの3人家族。築28年、6
1㎡の中古マンションを購入し、リノベーションした。

リノベーションを知り、物件探しを始めてから、インテリアに興味を持ちました。住宅雑誌をじっくり読むようになり、付箋を貼ったりしているうちに楽しくなってきて、打ち合わせのたびにはまっていった。ブリックタイルも、そのときに見つけた写真を参考に、目地の量や太さ、色などを選びました(ご主人)

知識を深めていくうちに、ヴィンテージやインダストリアルなど、古くて味わいのあるものが好きだということに気づき、設計の方向性が絞り込まれていったという。Tさんご夫妻が、部屋を飾るために家具や雑貨を探すことも日常となった。

空間の仕上げは、ポイントを絞って個性的なものを選び、他のベースの部分は、極力シンプルにしたいと思いました。そのほうが後から飾ることを楽しめるし、気に入って選んだ家具も映えます(ご主人)

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寝室と土間の間には室内窓を設け、風通しや採光に配慮。黒く塗装した木枠の上げ下げ窓というデザイン性にもこだわった。

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本や漫画を置いた玄関脇の土間。

プランは子ども室や寝室をきちんと個室にすること、大量にあるCDやDVDの収納を確保することを要件とした。物件探しも含めて依頼したnu リノベーションの提案から、LDKが広く、ブリックタイルが最も活かされていると感じたプランを選び、微調整しながら進めたという。懸案だった収納は大きめのウォークインクローゼットを2ケ所に設け、長手の梁に沿ってDVDを300枚ほど収納できる棚をつくった。

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LDKにあるワークスペース。グレーに塗装した壁にヴィンテージ雑貨が並ぶ。

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DVDは梁に沿って造り付けた棚に収納。ダイニングの照明は「eel」のインダストリアルランプ。壁付けのシザーランプは、倉敷市にある「Womb brocante」で購入。

また、ご主人は家で仕事をすることが多く、書斎を必要としていたが、個室にはせず、LDKの一角にデスクが置ける空間を設けてワークスペースとした。デスクの上や壁面は、厳選されたヴィンテージ雑貨や小物でデコレーションされている。

小さな空間でも好きに飾れる場所があることは、とても豊かだと感じています。仕事の合間に眺めると、気持ちが落ち着きます(ご主人)

そのご主人は近頃、ヨーロッパ古着に没頭中。どうやらインテリアに対するヴィンテージ熱が飛び火した模様。住む場所を楽しむことは、趣味の幅を広げていくのだ。

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システムキッチンの周囲に木のカウンターを立ち上げ、手元を隠している。

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床はラフな加工を施したオークフローリング。アンティークのような風合い。

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1200 枚ほどあるCD は、大容量の既製品の棚に収納。ジャンルごとにインデックスを付けて、整理している。将来的にはヴィンテージ風の棚の造作を予定している。

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子ども室の壁の一面には、1970年代頃のベルギー製のヴィンテージ壁紙を張った。L 字型のフィックス窓がキッチンと子ども室をつなぎ、お互いの気配を伝え合う。

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Before

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After


〈物件名〉VINSTA〈所在地〉東京都品川区〈居住者家族構成〉夫婦+子供1 人〈建物規模〉地上10 階建て(6階部分)〈主要構造〉鉄筋鉄骨コンクリート造〈建物竣工年〉1986 年〈専有面積〉61.99㎡〈設計・施工〉nu(エヌ・ユー)リノベーション〈設計期間〉2 ヶ月〈工事期間〉2 ヶ月〈竣工〉2013 年〈総工費〉1,000万円


※この記事はLiVES Vol.78に掲載されたものを転載しています。

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