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LiVESの家
2017年 1月28日

陽だまりの階段で2つの木の小屋を行き来する愉快な家

六甲の家

住みたい街で手に入れた、小さく細長い敷地。ガラスの空間、スキップフロア、木の素材を取り入れた、広がりと明るさを感じる山小屋風住宅。

text_ Hiroko Akamatsu photograph_ Takashi Daibo

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ガラス壁と天井に囲まれた階段室を挟んで2つの小屋が向き合う。床レベルを互い違いの高さにして、狭小地ながら必要な部屋と広がりを獲得。最上階の子ども室から屋上に出られる。

六甲の家

(兵庫県神戸市)

設計
藤原・室 建築設計事務所
住人データ
知寿さん(38歳)公務員、雅子さん(35歳)ヨガインストラクター、長男(12歳)、次男(6歳)

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大きく傾斜がついた片流れの屋根が特徴的な、シンプルな外観。隣家が迫る細長い敷地に、車1台分の駐車スペースを確保し、高さ制限いっぱいに家を建てた。

育ち盛りの2人の男の子を持つ阿比留さんご夫妻は、遊び心のある楽しい我が家を求め、一戸建てを建てることを決意。郊外に出て大きな家を建てることも検討したが、住み慣れた神戸山手の住宅街を選んだ。最寄り駅まで歩いて数分という便利な暮らしだ。

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最上階は子ども室。斜めの天井の梁をあえて見せ、小屋のような雰囲気を演出している。こもり感があり、趣味の折り紙や勉強に集中することができる。

予算内で手に入る小さな土地が見つかったが、北側斜線という法規で高さ制限が厳しい。狭小住宅が得意な建築家をインターネットなどでリサーチし、多くの実績を持つ藤原・室 建築設計事務所に設計を依頼することにした。

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玄関土間から階段ホールをモルタルの床にして、半屋外のような空間に。階段やサニタリー、各部屋の床にはラワン合板を採用し、プライベート感を出した。

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子ども室の下に位置する寝室は、雅子さんがヨガのレッスンを開く場も兼ねる。天井をカラフルな布で覆ったリラックス空間。

ご夫妻が希望したのは「木の小屋のような家に住みたい」ということ。

LDKと主寝室、子ども部屋がひとつあれば、各スペースは小さくてもいいと思っていました(雅子さん)

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階段の蹴上げを抜き、トップライトから入る光を下階へ届ける。

敷地は3方向を隣家に囲まれた、間口が狭く奥に長い形。そのなかで、必要な部屋と明るさを確保するために室さんが出した解は、建物を2つのボリュームに分割し、床のレベルをゆるやかに変えながら部屋を設けたスキップフロア構成。各部屋を行き来する階段室を建物の中央に据え、ガラスの天井と壁で囲うことで光庭のような空間をつくった。

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フレキシブルに使える階段周りのスペース。 土間の床は照太くんの電車遊びに、壁にはサーフボードやウエットスーツを収納。寝室の床下は納戸になっている。

片流れの屋根の形状をそのまま現した上階のLDK や子ども室の天井は大きく傾斜。壁や床、天井にラワン合板を張って仕上げると、木のぬくもりあふれる山小屋のような空間が出来上がった。

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知寿さんがキッチン側の壁と天井を白くペイントし、明るい雰囲気になったLDK。図書館のキッズコーナーを参考に奥のリビングを小上がりにして絨毯を張った。

ラワン合板の内装は木の小屋のイメージにぴったりで、年月とともに色や風合いが変わるのを楽しめます。壁に釘を打ったり、色を塗ったり、気軽に手を加えられるのもいいですね(知寿さん)

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大きなキッチンが欲しいという雅子さんのリクエストで、壁一面に造作。斜め天井の空間と木で仕上げたキッチンで、山小屋の食堂のようなダイニングになった。

向かい合う部屋の開口部は大きく開かれているため、どこにいても家の中全体が見渡せ、実際の面積以上に広がりが感じられる。そこに掛けられた木製のスリット階段が、空間にリズムを与える。
子どもたちは踏み板を広く取った階段にベンチのように腰掛けて、遊んだり本を読んだりして過ごす。また、知寿さんが体を鍛えるのにもかっこうの場で、踏み板に手を掛けて懸垂運動をするのが日課となった。さまざまなアクションが生まれる自由な空間に、家族の笑い声が響く。

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ダイニングとキッチンの奥に設けた床座でくつろぐ小上がり。

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〈物件名〉六甲の家〈所在地〉兵庫県神戸市〈居住者構成〉夫婦+子供2人+犬1匹〈用途地域〉第一種低層住居専用地域〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉62.42㎡〈建築面積〉33.06㎡〈床面積〉1階 31.55㎡、2階 30.44㎡、合計 61.99㎡〈建蔽率〉52.97%(許容60%)〈容積率〉99.32%(許容150%)〈設計〉藤原・室 建築設計事務所〈施工〉じょぶ〈設計期間〉9ヶ月〈工事期間〉7ヶ月〈竣工〉2012年〈総工費〉2,000万円代前半


※この記事はLiVES Vol.81に掲載されたものを転載しています。

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