東京から葉山の民家に移り住んだ家族の休日ライフを拝見。アウトドアリビングのテラスを中心にゆったりとした時が流れる。
text_ Satoko Hatano photograph_ Takuya Furusue
吉田邸
(神奈川県三浦郡葉山町)
- プロデュース
- エンジョイワークス
- 住人データ
- 夫(38歳)クリエイティブディレクター、妻(36歳)主婦、長女(4歳)、次女(1歳)
住宅街を抜け山に続く坂道を上り詰めると、大きな切り妻屋根をもつ別荘風の木造住宅が見えてくる。敷地面積は約200坪。ウメやコナラの木々が茂る庭へまわると、テラスから賑やかな声が。
陽気がよくなると、テラスで毎週末バーベキューをやっています。朝食もここで食べるし、一日を通してテラスにいる時間が長いですね
そう話すのは、家主の吉田恵介さん。妻の春奈さんと長女の日向ちゃん、次女の朝陽ちゃんによる4人家族の毎日は、この12畳大のテラスを中心に展開する。
よく晴れた休日、テラスには吉田さん一家のほかに、子ども連れの2組の家族が食材を持ち寄ってバーベキューの真最中。皆、吉田さんと同じ東京や横浜からの移住組だ。
やっぱり子育て環境ですね。自然を身近に感じられる場所でのびのびと暮らしたいと思いまして
と移住の動機を語る恵介さん。都内通勤可能なエリアから自然が残る場所を絞り込み、葉山の住宅街の奥にある築50年の民家に行き着いた。
山へ続く傾斜地を活かした高基礎の上にのる平屋。柱と梁を現した大壁に漆喰が丁寧に施された外から、建物の状態の良さが窺える。
しっかり手入れされていたので、屋根と水まわり、庭に張り出したテラスを修繕する程度で十分でした
とは、バーベキューの参加メンバーで、この家の仲介者でもあるエンジョイワークスの福田和則さん。その広いテラスと、隣り合うキッチンを中心に、幼い姉妹が内と外を裸足のまま自由に行き来できる、大らかな住空間が魅力だ。
住んでみて、ゆったりした子育てってこういうことかなと分かった気がします。自然が身近な生活になると汚れるからダメだとか、そういう細かいことは言わなくなりますね
と話す春奈さんも、当初は東京のマンション暮らしからの転換に慎重だった。しかし今では、ここまで来たのに隣家が見える家じゃ意味がない、と山が迫る環境を積極的に受け入れている。子どもを介したご近所さんや移住仲間とのコミュニティも暮らしやすさの一因のようだ。
さて、テラスでくつろぐパパたちは、「子育て」をきっかけに自らが開放的な暮らしを満喫の様子。そのそばで、子どもの笑顔を優しく見守るママたち。吉田邸で営まれるスローな日常の風景を垣間見た。
専門家プロフィール
葉山・鎌倉・湘南エリアの家づくり、住まい方を提案。不動産仲介のほか、居住+複合施設の新しい居住スタイル、シェアハウス・シェアオフィス、店舗のアレンジ、賃貸物件や古民家のリノベーションなど、さまざまなスタイルの不動産をプロデュースする。写真は代表の福田和則氏。
ENJOY WORKS
- 住所
- 神奈川県鎌倉市由比ガ浜1・10・9
- TEL
- 0467・53・8583
- FAX
- 0467・53・8584
- info@enjoystyles.jp
- URL
- www.enjoystyles.jp
〈物件名〉吉田邸〈所在地〉神奈川県三浦郡葉山町〈居住者構成〉夫婦+子供2人〈建物規模〉平屋建て〈主要構造〉木造〈建物竣工年〉1965年〈建築面積〉94.86㎡〈床面積〉94.86㎡〈プロデュース〉エンジョイワークス〈施工〉Y’s home〈工事期間〉3ヶ月〈竣工〉2014年
※この記事はLiVES Vol.82に掲載されたものを転載しています。
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