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LiVESの家
記事作成・更新日: 2017年 5月27日

都心のペントハウスを賃貸リノベ。
85平米をまるごとワンルームで住む

六本木C邸 90平米のワンルーム

六本木のビル群を見渡す、ルーフバルコニーが自慢の最上階の物件。一人暮らしの住まいとして自分らしさをギュッと詰め込み、インテリアをとことん楽しむ。

text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue

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鉄、コンクリート、木などのクリストファーさんが好きな素材で内装やディテールを構成した空間。寝室とリビングを仕切るフェンスは、引戸のように開閉できる。

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玄関とLDKはフラットにつながる。インダストリアルな質感の玄関ドアはクリストファーさんがサンダーで研磨してもとの塗装をはがし、生の鉄の状態に仕上げた。

六本木C邸 90平米のワンルーム

(東京都港区)

設計・施工
HOUSETRAD
住人データ
クリストファーさん(25歳)会社員

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木枠のガラスの向こうにシャワールーム、洗面、トイレなどの水まわりをまとめて配置。白いタイル張りの壁が、ワンルーム空間の良いアクセントになっている。

六本木のミッドタウンの裏にある、築42年の中古マンションをリノベーションしたクリストファーさん。たまたま空いていた実家の隣の部屋が、改装可能な賃貸物件だったのだ。

自分の好みのデザイン要素をとことん盛り込み、日本ではあり得ない空間をつくりたかったんです

そう話すクリストファーさんは、フランス人の父と日本人の母を持つハーフ。ファッションブランドのマーケティング部門で働き、仕事でもインテリアやアートなどを扱うことが多いという。

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チェーンで吊るした照明は、この空間に合わせてデザインした「HOUSETRAD」のオリジナル。

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寝室の一部の壁をブリックタイル張りに。パイプハンガーやスチールのロッカーに衣類を収納。

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フェンスの建具で仕切り、床を一段上げてパインのフローリングを敷いた明るい雰囲気の寝室。

既存はオフィスとして使われていた85平米の空間。最上階に位置し、大きな窓と広いバルコニーがあり、ミッドタウンや東京タワーなど六本木のビル群を見渡す好ロケーションだ。

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水まわり側から部屋全体を見る。天井は躯体を現して白く塗装。リビングの床はモルタルですっきり。フェンスの奥は2台のベッドが並ぶゆったりとした寝室。

クリストファーさんの希望は天井が高く、広々としたNYのロフト的なワンルーム。ベッドやバスタブが無造作に置かれたようなイメージだった。それを形にしたのが、友人だったHOUSETRADの細田邦彦さんだ。実験的なことにもトライしながら、打ち合わせで出てくるたくさんのアイデアを落とし込んでいった。

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広いバルコニーからは東京タワーや六本木のビル群が見える。

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リビングにはレコードやオーダーメイドの真空管アンプも。

ワンルームにするとしても、寝室、リビング、水まわりなどの用途が異なる場所は、空気感を少し違う感じにしたかったんです。抜けや光を遮らずに空間を分けることを考え、スチールで造作したフェンスや木枠のガラスの建具で軽く間仕切り、床の高さや素材にも変化をつけました。居心地や見た目の印象がずいぶん変わり、空間にメリハリが生まれたと思います(細田さん)

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ローテーブルはDIYで造作。キャスターを付けた木製パレットにガラスの天板を合わせている。

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玄関脇に小物掛けとして有孔ボードを設置。green、Redの文字はインターホン機能のメモ。

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シャワールームはゆとりの広さ。大きな植物が入浴のリラックス効果を倍増してくれる。

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玄関から室内を見る。扉の外側は黒で塗装。ポラロイドやルームナンバーを貼ってアレンジ。

寝室の床はパイン。モルタルの床のクールなリビングスペースと異なり、自然光が優しく回るナチュラルな印象だ。水まわりはスペースがコンパクトであることも考慮し、ガラスの建具で仕切った。フロストガラスではなく、目線の抜けを重視した透明ガラスだ。リビングからは、白いタイル張りの壁や飾られた植物がよく見え、ショーケースのような雰囲気。ガラスには来客用にブラインドが設けられているが、一人のときはほとんど使っていないという。

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壁に設置した有孔ボードにフックで調理器具を収納。クリストファーさんは料理も得意。

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ミニマムなキッチン。柱の出っ張りを活かして半分ほど目隠しし、生活感を隠している。

住みやすさや使い勝手以上に、非日常感を重視して、お気に入りのものだけを取り入れました。一人暮らしの今しか住めない家ですね。家に帰ってくると部屋を見渡してしまうくらい、とても気に入っています(クリストファーさん)

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シャワーブースとつながる洗面・トイレ。有孔ボードの奥には給湯器が収まっている。

照明スイッチ。マーカーで壁に手描きしたサインもインテリアのワンポイントになっている。

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〈物件名〉六本木C邸 90平米のワンルーム〈所在地〉東京都港区〈居住者構成〉大人1人〈建物規模〉地上6階建て(6階部分)〈主要構造〉鉄筋コンクリート造〈建物竣工年〉1973年〈専有面積〉約85平米〈バルコニー面積〉約48平米〈設計・施工〉HOUSETRAD〈設計期間〉1ヶ月〈工事期間〉1ヶ月〈竣工〉2014年〈総工費〉300万円 ※施主支給品・施主施工費、設計料別


※この記事はLiVES Vol.83に掲載されたものを転載しています。

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