ミッドセンチュリー期のアメリカ西海岸スタイルをベースに、ジャンルを問わず、好きなものを自由にミックスすることで生まれる心地良い空間。
text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue
インテリアショップ HOUSETRAD
(オーナー 水野了祐さん)
- 設計
- 細田邦彦(HOUSETRAD)
住宅や店舗の設計、オリジナル家具の販売を手掛ける「HOUSETRAD」の代表、水野了祐さんが奥さまと2人のお子さまと住む家は、目黒区内にある新築一戸建て。同社デザイナー、細田邦彦さんの設計によるものだ。玄関の横には、前面道路から広い間口でつながるガレージ兼書斎。壁面にデスクや棚が完備され、水野さんの愛車のバイクや趣味のプラモデルなどが並ぶ。仕事のみならず、バイクのカスタム、DIYなど、自分の時間を楽しむ自分だけの場所。縦長の区画で売られていた敷地を交渉によって正方形に近い形に割ってもらい、間口の広さを獲得したことで実現した空間だ。
部屋は小さくてもいいから、ガレージは絶対つくりたいと思っていました。都内では間口の広い敷地はなかなか見つからないので、ラッキーでしたね(水野さん)
間取りは1階にガレージと水まわり、個室。2階はLDKを目一杯広く取り、3階には小さめの寝室を設けた。その先にはゆったりとしたルーフバルコニー。家の西側中央に階段を置いて無駄な動線をなくし、コンパクトな延べ床面積の中で各部屋の広がりを確保している。
エントランスから階段まで、建物の真ん中に抜けをつくり、階段を広めに取ることで、上下にも筒状のつながりを設けました。階段室はガラスブロックで光を取り込み、気持ちのいい空間がつくれればと思いました(細田さん)
インテリアは多彩な素材をミックスするのが「HOUSETRAD」流。玄関とガレージの床は洗い出しの土間でつながり、木枠のガラスで仕切られている。LDKの床は太く短くカットしたオークのヘリンボーン張り。キッチンからダイニングの壁一面には、アメリカから輸入したタイルを張った。斜線制限で斜めになる天井は、チーク調に染色したラワン合板で隠し、梁のような意匠に。キッチンはコンクリートブロックやグレーチングを合わせたガラスの間仕切り、人造大理石のカウンターなど、硬質な素材でまとめ、リビングダイニングの雰囲気と変化をつけている。
ミッドセンチュリーやアメリカ西海岸をベースに、ヨーロッパやアフリカ的なスタイルをミックスするのが好きで、『HOUSETRAD』でも目指しています。それを一つの形にしたのが、この家だと思っています(水野さん)
専門家プロフィール
1976年 静岡県生まれ。日本工学院専門学校を経て、構造設計事務所で構造を学び、ジュエリーブランドのe.m.で店舗の内装と什器の製作設計に従事。その後、パシフィックファニチャーサービスに入社。2012年 水野了祐とともにHOUSETRAD設立。
HOUSETRAD
- 住所
- 東京都渋谷区恵比寿南2・16・12・102
- TEL
- 03・6412・7406
- info@housetrad.com
- URL
- housetrad.com
〈用途地域〉第一種中高層地域〈建物規模〉地上3階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉76.03㎡〈建築面積〉42.06㎡〈床面積〉1階 42.06㎡、2階43.95㎡、3階11.27㎡、合計97.28㎡〈建蔽率〉60%〈容積率〉150%〈設計〉HOUSETRAD〈設計期間〉3ヶ月〈工事期間〉6ヶ月〈竣工〉2013年
※この記事はLiVES Vol.87に掲載されたものを転載しています。
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