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LiVESの家
2018年 1月12日

古家付きの土地を購入して
光あふれる住まいに全面改修

静岡のリノベーション

住宅地として人気の高いエリアで手にした、古い鉄骨造の事務所兼アパート。スケルトンリノベで、光と開放感を楽しむ住まいにコンバージョン。

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シンプルな間取りながら、白い壁と窓が交互に連なる造りや、ダイナミックな現しの梁がオリジナリティに富む空間を演出。梁と窓の木枠の塗装は、ご主人がDIY。

静岡のリノベーション

(静岡県静岡市)

設計
後藤周平建築設計事務所
住人データ
夫(34歳)会社員、妻(32歳)会社員、長男(5歳)、次男(0歳)

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既存の鉄骨梁を現して2層分の吹き抜けがあるLDKに刷新。愛用してきたカリモクのソファや天童木工のダイニングテーブルを置き、自分好みの空間に仕立てた。

将来は実家に戻ることを前提に、一定期間だけ暮らす住まいを求めた松下さんご夫妻。売却しやすい立地と形状にこだわって土地探しを始めた。見つけた敷地は、古い事務所兼アパートの建物が残された閑静な住宅街の一角。人気がある地域で地価が下がりにくく、南側道路で角地という理想的な環境だった。しかし、人気の高いエリアだけに土地の値段が予算オーバー。そこで松下さんは、売り主が解体する予定だった既存建物を残すことと引き換えに、解体費用分を土地の販売価格から値下げしてもらうように交渉し、リノベーションを検討した。

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「シャープなラインと角ばったデザインが好き」というご主人の好みを反映させた外観。玄関手前にヤマボウシと芝生を植えた庭を配置。

建物は築44年と古かったので、まずはリノベーションが可能であるか確認することが必要だと思いました(ご主人)

そこで、高校時代の同級生である建築家の後藤周平さんに調査を依頼。その結果、理想的な住まいのプランニングが可能だと分かり、建物ごと購入することを決めた。

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既存の建物は、築44年の事務所兼アパート。後藤さんは、鉄骨造の躯体を活かしたコンバージョンが可能だと判断して全面改修を提案。

既存建物を住宅にコンバージョンするために、後藤さんは内部のスケルトンリノベーションを提案。建物の半分は2層分の吹き抜けを持つLDKに、もう半分は1階と2階に分けて水まわりと個室を設けた。LDKには、2階部分にあたる高い位置に窓をつくり、周囲の視線を気にせず光を取り込むように配慮した。

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玄関とLDKの間を仕切り、直接視線を受けないように配慮。

個室には、いずれもLDKと向き合うように天井まであるFIX窓を設置。家族が思い思いの場所で過ごしながらも、お互いの気配は分かる、適度な距離感を持たせた。

プランはすべて後藤さんにお任せしましたが、素材と設備は自分で選び、好みのインテリアにしたいと思っていました(ご主人)

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「高窓から青空や月が見えて気持ちが和みます」とご主人。将来、梁に床を渡して居室をつくることを想定し、高窓は掃き出し窓を採用。

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2階は寝室や子ども室などのプライベート空間を配置。吹き抜けに面するFIX窓には、安全面を考慮してアクリル板を採用している。

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LDKの床材には、ご主人が探してきた古材を張った。木目を際立たせるように表面を薄く削ったり、ウレタン塗装もご主人が行った。

LDKの床は古材を使い、個性的な表情を楽しむ空間に仕立てた。キッチンはシャープなデザインのオールステンレス製をチョイス。床材とキッチンは施主支給、さらに現しにした既存の梁を自分たちで白く塗装し、コストダウンを図った。

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2階個室のアクリル板の窓を介して、1階のLDKを見下ろす。「子どもが2階にいても気配や様子がなんとなく伝わってくるので安心できますね」と奥さま。

限られた予算で心地よい空間をつくるために、自分でできることはすべて行いました。納得のいくリノベーションができて大満足です

コンバージョンによって手にした空間に、愛用してきたお気に入りの家具を配して、自分らしい住まいと暮らしを謳歌している。

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「個室から見たLDKは明るい広場のように感じられる空間にしたかった」と後藤さん。

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玄関とリビングを仕切る壁はラーチ合板。テレビの配線も壁の内部に収めた。

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Before

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After


〈物件名〉静岡のリノベーション〈所在地〉静岡県静岡市〈居住者構成〉夫婦+子供2人〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉鉄骨造〈建物竣工年〉1971年〈敷地面積〉103.21㎡〈建築面積〉57.16㎡〈床面積〉1階 57.16㎡、2階 28.58㎡、合計85.74㎡〈設計〉後藤周平建築設計事務所〈施工〉鈴木建設〈設計期間〉7ヶ月〈工事期間〉6ヶ月〈竣工〉2016年〈総工費〉1,520万円


※この記事はLiVES Vol.91に掲載されたものを転載しています。

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