リノベーションしたいと考えたとき、まず気になるのは、費用面ではないでしょうか? 昔ながらの家に住んでいる方や、立地のいい古民家など古い家を買ってリノベーションしたいと考えている方は、特に費用が気になりますよね。
また、現在住んでいる場所をリノベーションする場合は一度他の場所に住む必要がありますので、どのくらいの期間かかるかも気にしておかなければなりません。
ここでは、和風のお家を洋風にリノベーションする場合の期間と費用についてまとめています。
床材を畳からフローリングにする
現在畳敷きのお部屋からフローリングにする場合はどのような手順なのでしょうか。単純に、「畳を剥がしてその上からフローリングを敷けばいいんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はそんなに単純ではないのです。
まず、畳とフローリング材ではそれぞれの厚みが異なります。通常、畳というのは厚みが55~60mmあり、床材の中でもかなり分厚い材料です。一方フローリングはというと、商品にもよりますが12〜15mmが通常の厚みです。単純にその差だけでも40mm以上あることになり、畳を剥がしてそのまま貼るとなると廊下から部屋で40mmの段差ができてしまうことになります。これでは危ないですよね。
そこで、リノベーションする際は畳の下地を調整し、うまく他の部屋と高さを合わせて床の張り替えを行っていきます。
フローリング材には複合フローリングと無垢フローリングとがあり、無垢の方が金額は高くなります。素材感は無垢フローリングの方が良いですが、多少収縮することもありますので、メリットデメリットをよく考えて選びましょう。
6畳程度の部屋を畳からフローリングに変える場合、おおよそ15〜25万円程度かかります。これには、畳の処分費用やフローリングの材料費、人件費、管理費などが含まれます。フローリングの材料によって価格は異なりますし、畳を剥がしてみたら下地の状態が悪くてやり直し、などイレギュラーなことも起こり得ます。ある程度余裕を見て依頼したいですね。
張り替えの期間は1部屋なら最低でも1日、広さによっては2〜3日かかります。あらかじめ施工店に確認しておきましょう。
砂壁・綿壁を壁紙や塗装の壁面に変える
和室の壁でよくあるのが、擦るとポロポロと落ちるような砂壁や綿壁です。新しいときは素敵な壁面ですが、年月が経ってくるとどうしても魅力が薄れてしまいますよね。
そんな壁を洋風にするには、壁紙を貼る、または塗装などで仕上げるといった方法があります。
砂壁や綿壁は、そのままだとポロポロ落ちてきますので、上からそのまま壁紙を貼ったりペンキを塗ったりしても剥がれてくる可能性があります。そこで、砂壁や綿壁をシーラーという材料で塗り固めたり、上からベニヤ板を貼って仕上げていきます。
ただし、状態によっては砂壁を全て剥がしてしまうということもありますので、しっかりと方法を施工店に相談しながら進めましょう。
壁紙に変更する場合は、ベニヤ板を貼ってパテを塗ってから仕上げます。この場合の金額は6畳程度で10〜15万円ほどでしょう。工期は1〜2日とかなり早く仕上がります。
一方、塗装で仕上げる場合、金額は6万〜10万円と安く仕上がります。しかし、工期としては2〜4日と壁紙の仕上げより長くなります。これは塗装を乾かす時間が必要なためです。
どちらも色や素材が多くありますので、自分がやりたいリノベーションのイメージにあった材料を選びましょう。
和式トイレから洋式のトイレへ変える
和式トイレのお家はもう少なくなってきたのではないでしょうか。しかし、中には和式トイレを簡易の洋式トイレに変更しているだけのお家もあると思います。
トイレを洋式に変更する場合、一度解体が必要になります。床部分の解体はもちろん、タンクなども入れ替えになりますので、壁面も多少解体することになります。
費用の内訳としては解体処分費、トイレの商品代、水道工事費、内装工事費、電気工事費などかかります。トイレ本体は様々な種類がありますのでそこで大きく費用が変動します。
一番高額なのがタンクレストイレ。すっきりとして人気ですが、少しサイズが大きかったり、通常の配管では難しい場合がありますので注意しましょう。他にはタンクと便器の一体型と一番安価なタンクとトイレの組み合わせ型があります。トイレの広さと使い勝手を施工店と相談しながら決定してくださいね。
気になる金額ですが、安価なトイレで15万円前後、高額になると50万~60万円程度になります。トイレの配管の状態や、電気配線の状態によっても前後しますので、必ず先に見積もりを取るのが重要です。期間は1日で終わる場合もありますが、床の張り替えなどで3〜4日かかることもあります。
丸ごと1件和風から洋風へリノベーションする場合の期間と費用は?
さて、場所ごとに見てきましたが丸ごと1件をリノベーションする場合はどれくらいの期間と費用がかかるのでしょうか。
事例1 長屋の1角をフルリノベーション。おしゃれな洋風の家に
昔ながらの長屋を民泊として再利用するためフルリノベーションした事例です。外観はそのままでしたが、塗装をし直し、玄関ドアを印象的なものに変更。ユニットバスを入れ、水回りを全て新しくしました。しかし、階段をかけ直したり大幅な間取り変更をしたため、おおよそ30平米程度で800万円ほどの金額でした。
事例2 中古の一軒家を買ってリノベーション。設備を最低限にして広いリビングに
若いご夫婦が住むため、一軒家を丸ごとリノベーション。ゆったりと過ごしたいのでリビングを広く取り、天井を抜いて屋根裏だった場所の窓から光を取り入れました。キッチンは最低限のものにし、階段なども表面だけ交換。抑えるところは抑えて、理想の空間を実現しました。費用は70平米ほどでおよそ1,000万円でした。
まとめ
和風から洋風のリノベーションについて理解が深まったでしょうか。リノベーションは家の状態によって工事内容が変わってきます。施工店によっても得意不得意がありますので、複数見積もりを取ってみるのもひとつの方法です。この記事を参考にしながら、リノベーションを進めてみてくださいね。