建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
2012年 6月 2日

建築家と一緒に建てる、コンパクトなRC造のデザイン事務所兼住宅

都心の建坪8坪弱の土地に建つ狭小住宅に、オーナー夫妻の住居と4名が働くオフィスが共存。Z型の壁がたくさんの居場所をつくる。

text_ Yasuko Murata
photograph_ Ayako Mizutani

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2階リビングの一部は、玄関からの吹き抜け。採光と視線の抜けが建物を広く感じさせる。

ZETTO

東京都渋谷区
〈設計〉駒田建築設計事務所

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〈住まい方〉かしこい狭小住宅で都心生活
〈住人〉Fさんご夫妻 夫(41歳)、妻(35歳)


「仕事とプライベートはあまり分けないライフスタイル。前の住まいは50㎡のメゾネットの賃貸で、1階をオフィス兼リビングとしていて、スタッフも勤務していました」
 そう話すのは、デザイン事務所を営むFさんご夫妻。職住一体のスタイルを気に入っていたが、以前の住まいでは手狭だったことから、現状の良さをそのままに、仕事と生活が整理された住まいを求め、渋谷区に建坪8坪弱の敷地を購入。RC造の一戸建てを新築することにした。

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左/都心の住宅密集地に建つ、箱のような建物。外観は主張しすぎず、街にフラットに馴染むデザインを意識している。外壁は、コンクリートの躯体に外断熱パネルを貼ったもの。
右/玄関を入ると奥に向かって広がる打合せスペースが出迎える。

「実は、ゾーンをたくさんつくって空間を分けたほうが、狭小住宅は使いやすいんです。オフィスと住宅の境界が曖昧で、リビングやキッチンもパブリックな使用をするので、心理的に切り分けができ、なおかつ柔軟性の高い空間を目指しました」
 とは、設計を手掛けた駒田建築設計事務所の駒田剛司さんと由香さん。敷地なりの外形の中に、「Z」の字を描くように壁をつくり、それを3層重ねて、6つのゾーンが交差しながらつながる空間をつくった。
「白と黒で壁天井の色が塗り分けられた2つのゾーンが、反転しながら続いていきます。天高に変化をつけ、段差を設けたり照明のデザインを変えたりして、気分が切り替わるように工夫しました」(駒田剛司さん)

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左/2階リビングからキッチンを見る。ここまではスタッフにも開放する半パブリック空間。
右/1階の玄関部分の階段はスリット状にして奥行きを演出。室内窓からはデスクスペースが覗く。

1階はオフィス。Fさんご夫妻を含めて4名が作業をするデスクスペースと、打合せスペースに分かれている。
2階は螺旋階段を上がったところに洗面室とトイレがあり、その先に細長いリビング、壁を隔ててキッチンがある。ここは勤務中にスタッフが立ち入ることもあるが、終業後はFさんご夫妻の生活の場となる。
3階は扉で仕切られたプライベート空間。寝室や収納があり、壁を隔てた一番奥に浴室が設けられ、空に開いたバルコニーへとつながる。

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2階全景。壁を隔てて左がリビング、右がキッチン。段差を設け、壁と床の色を反転させ、空間に変化をつけている。螺旋階段の上部から注ぐ光が上階への意識を促す。

「完全に仕切られているわけではありませんが、空間ごとに機能が分かれ、居心地も変わり、流動的に使うことができます。シンプルで無機質なRC造は、家っぽさがなく、用途が不確定で、使い方が自由な箱といった感覚。将来的には全部オフィスにしたり、一部を賃貸に出すことも視野に入れています」(Fさん)

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上/螺旋階段は蹴込みをなくして、省スペースと視線の抜けを両立。
下/浴室、洗面室へは3階の寝室を通らないとアクセスできないプラン。

 現時点では、仕事を優先して東京の都心に住むことを選んだため、結果的にこのような家になったと話すFさん。家を住むためだけの場所と限定しない捉え方は、将来的にも多くの可能性をもたらしそうだ。

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右/1階オフィスの全景。斜めの壁によるパースで、奥行きと広がりが出ている。壁で仕切られた2つのスペースは床レベルが異なり、照明のデザインにも変化をつけた。


〈物件名〉ZETTO〈所在地〉東京都渋谷区 〈主要用途〉事務所兼住宅〈居住者構成〉夫婦 〈用途地域〉第一種住居地域、商業地域 〈建物規模〉地上3階建て 〈主要構造〉鉄筋コンクリート造 〈敷地面積〉45.51㎡ 〈建築面積〉26.10㎡〈床面積〉1階26.03㎡、2階25.01㎡、3階23.74㎡ 計74.78㎡〈建蔽率〉57.35%(許容80.32%)〈容積率〉164.31%(許容187.54%)〈設計〉駒田建築設計事務所 駒田剛司+駒田由香〈構造設計〉森部康司研究室〈施工〉平成建設 〈設計期間〉6ヶ月 〈工事期間〉7ヶ月 〈竣工〉2011年


Takeshi Komada

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駒田剛司 1965年生まれ。89年 東京大学卒業後、香山壽夫建築研究所勤務。93~99年 東京大学助手。99年~ 駒田建築設計事務所にて駒田由香と協働。現在、昭和女子大学、東京電機大学非常勤講師。

Yuka Komada

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駒田由香 1966年生まれ。89年 九州大学卒業後、東陶機器勤務。93~96年 サティスデザイン勤務。96年 駒田建築設計事務所設立。現在、中央工学校講師。

駒田建築設計事務所
東京都江戸川区西葛西7・29・10
西葛西APARTMENTS#401
TEL 03・5679・1045
FAX 03・5679・1046
komada@ppp.bekkoame.ne.jp
www.komada-archi.info 

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