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LiVESの家
記事作成・更新日: 2014年 9月 5日

多様なテイストをミックスダウン インテリア演出のプロの家づくり

トルコや北アフリカの雑貨やインテリア、足場板、塗装した壁など、お気に入りのイメージを集めて、プロの調整力で世界観を仕上げる。

ビジュアルマーチャンダイザー 山川直子さん

やまかわなおこ ホームファニシングのVMDを軸に活動。イベントのコーディネートやカタログのスタイリングなども手掛けている。ライフスタイルネットとTATO DESIGNでコラムを連載中。
www.naokoyamakawa.com

text_ Yasuko Murata photograph_ Osamu Kurihara

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リビングから窓の外を眺めるために設置したヤマカワラタンのハンギングチェア。夏の週末には近くの遊園地の花火を見ることもできる。


 山川直子さんは、インテリアのコーディネートや雑貨のディスプレイ、販売戦略などを手掛けるビジュアルマーチャンダイザー。ご主人との2人暮らしで、ご実家近くの所沢市内に築29年のマンションを購入し、リノベーションした。
「トルコや北アフリカの建築や街の雰囲気が好きで、インテリアやファブリックに取り入れました。リビングに造作した低めのベンチも中近東の窓辺のイメージ。床に座ると背もたれにもなる高さに設定しています。大勢の友人が集まることがあるので、座れる場所がたくさん欲しかったんです」(山川さん)

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左/キッチンのシンクの正面にはコンクリートブロックで壁を新設し、カウンターを設置。天板は足場板。
右/寝室の手前に設けた土間床のインナーテラス。奥の壁はネイビーに塗装。

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左/リビングのベンチは、床に座ったときに背もたれになる高さに。マットレスはネットでオーダー。
右/トイレの壁の蜂柄の壁紙はFARROW&BALL製。

 もとの間取りは4LDKで、水まわりは位置を変えずに設備と内装を一新、キッチンは既存を利用、広々したリビングダイニング、インナーテラス、寝室、山川さんのアトリエ、納戸という間取りに変更した。玄関土間の横には造作したスチールサッシの窓があり、壁をパープルに塗装したアトリエが覗く。リビングダイニングの壁は緑がかったベージュの塗装と、幅や厚みが異なる足場板で仕上げられている。土間のインナーテラスの横は、ルーバードアで仕切った小上がり状の寝室。洗面室の壁はイエローで塗装、トイレは蜂柄の壁紙を張って雰囲気を変えている。
「各スペースについてスケッチを描いて、ディテールまで詳細に希望を伝えました。でも全体のバランスや具体的な色などは、プロの意見を聞きながら、皆がいいと思う方向で決めていきました」(直子さん)

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左/アトリエを仕切る壁と窓が、屋外的な雰囲気を醸す広い玄関。正面のベージュの壁の奥は洗面室。
右/パープルの壁にカラフルな雑貨が映えるアトリエ。古材で作ったドアの把手は鐵の鍋敷きを活用。

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左/洗面室は聖和セラミックスのタイル「Perfume Line Lantern」をポイントに。目地はベージュ。
中/数年前にリフォームされていた既存のシステムキッチンを利用。壁には深緑のタイルを貼った。
右/キッチンのタイル壁は、聖和セラミックスの「Etranger」を目地なしで貼り合わせている。

 設計を手がけたのは、山川さんの仕事仲間でもあるタトデザインの大山啓さん。スペースごとに塗り分けた壁の塗装は、スクエアミーターに色づくりから依頼した。
「建築的な問題点や解決策を提示し、空間のつながりと全体のバランスを微調整していきましたが、山川さんの持つ具体的なイメージからぶれないように、細やかに打ち合わせを重ねていきました」(大山さん)

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左/スチールサッシとチェッカーガラスの造作窓、ブロックの壁で間仕切ったアトリエ。
右/コンクリートブロックの壁につくり付けたワークデスク。天板は「WOODPRO」のASHIBA。

 多彩な色、素材、テイストが盛り込まれているが、不思議と山川さんの好きな世界観が伝わってくる。こうした空間をつくるコツはどこにあるのだろうか。山川さんに聞いた。
「人それぞれ積み重ねてきた歴史があって好きな空間は違うから、好みを追求すれば、その人らしい空間ができると思う。服だって何度も失敗して自分に似合うものが分かる。家づくりもインテリアも同じです」

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ナラのフローリングが広がるリビング。ランダムに張った足場板の壁、窓辺のベンチ、キリムなど、さまざまなテイストをミックス。


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〈所在地〉埼玉県所沢市〈居住者構成〉夫婦〈建物規模〉8階建て(6階部分)〈主要構造〉鉄骨鉄筋コンクリート造〈建物竣工年〉1983年(築29年)〈専有面積〉88.57㎡〈設計〉TATODESIGN(株)担当:大山啓〈施工〉(株)コラム〈設計期間〉3ヶ月〈工事期間〉2ヶ月〈竣工〉2011年


AKIRA OYAMA


大山啓 1977年愛知県生まれ。2002年武蔵野美術大学卒業。09年 ブルースタジオ退社。2010年 TATO DESIGN(株)設立。

TATO DESIGN 株式会社

東京都渋谷区千駄ヶ谷3•3•8
第5スカイビル601号室
TEL 03・6721・1985
FAX 03・6721・1986
support@tatodesign.jp
www.tatodesign.jp


※この記事はLiVES vol.65に掲載されたものを転載しています。

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