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記事作成・更新日: 2015年 9月 7日

子育ても仕事も両立できるワンルームにリノベーション

こどもとの毎日がたのしい家

家で仕事をしながら、子育ても楽しむ、オープンスタイルの空間。やさしい素材や色にもこだわって、子どもに安心な家づくり。

text_ Akiko Fujiki photograph_ Takuya Furusue

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愛猫のキャットタワーとして立てた流木の周辺が、すみれちゃんお気に入りのプレイスペース。ご主人が仕事でデザインした子ども用家具の試作品を愛用。

桜丘の家(東京都世田谷区)

設計
野島耕平
住人データ

耕平さん(36歳) デザイナー、美奈子さん(36歳) デザイナー
すみれちゃん(1歳)

閑静な住宅地の中にあるマンションの一室に、野島さんご夫妻の住まいはある。以前は賃貸の一戸建てに住んでいたが、妊娠を機に、リノベーションを前提として築30年の中古マンションを購入。企業デザイナーとしてオフィスや子ども施設の空間デザインを手掛けるご主人の耕平さんが、設計を担当した。

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玄関土間の壁一面に、家族の衣類などをしまう収納を集約。

玄関扉を開けると、目の前に広がるのは広い土間。予想を心地よく裏切るような、広く、スタイリッシュな空間だ。

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深みのあるキッチンのグリーンは、美奈子さんがセレクト。設備は必要最小限に抑え、コンパクトに仕上げたキッチンに、オープン棚をプラスした。

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フィッティングルームとしても使う玄関ホール。土間に大判のタイルを敷き、床にはカーペットを採用して「硬」と「軟」のメリハリを楽しんでいる。

「お客さまがフィッティングに使うこともあるので、非現実的な空間にしたいと思いました」

と語るのは、服飾デザイナーの奥さま、美奈子さん。既存の玄関と個室をつなげた玄関ホールは、子どもの気配が感じられないスマートな印象だが、帰宅時にベビーカーを置いたり、子どもを遊ばせたりするのに重宝しているという。

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ダイニングの壁に設置した棚も、耕平さんのデザイン。スチールの棚受けも、オリジナルで製作した。棚板で横のラインを強調してハードな質感を空間にプラス。

夫婦でお互いのライフスタイルを確認し合いながら決めたプランは、LDK とワークスペース、ベッドスペースをつなげたワンルームスタイルの間取り。既存の壁を取り払い、家全体を明るく、広く見せている。

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塗装色には、季節や時間によって表情を変える色を採用。窓辺には美奈子さんのワークスペース。仕事をしながらベッドスペースで遊んでいるすみれちゃんを見守ることができる。

天井は高く上げ、ネイビーでカラーリング。胸の高さまで立ち上げた仕切り壁を新たに設け、リビングとベッドスペースをさりげなく仕切っている。ベッドスペースは小上がりにして、下を収納に。日中は布団類をここにしまい、子どもの遊び場として活用している。

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自然素材にこだわり、床材にはナラの無垢材を採用している。

キッチンと絶妙な角度で連続しているダイニングテーブルも、耕平さんがデザインしたオリジナルだ。「キッチンに立ったときに視界が広がるし、子どもにまで目が届くので安心です」(美奈子さん)

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少し斜めに変形した造り付けのダイニングテーブルは、耕平さんがこの家のためにデザインしたもの。

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ダイニングの棚には、デザイン書や小説、絵本などがずらり。

現在1歳となるすみれちゃんは、キャットタワーとして立てた流木の周りで遊ぶのがお気に入り。窓辺のワークスペースで仕事をしながら、ときにはキッチンで料理をしながら、まだ幼い我が子の様子が常に感じられる住まいとなった。

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流木のキャットタワーは、床にはめ込み、土台とボルトでしっかり固定されている。

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テーブルの天板は、子どもがなめても害のない自然素材のリノリウム仕上げ。

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コンパクトなバスルーム。グリーンのタイルがさわやか。

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将来、個室が必要になった時はどうするのだろうか?

「家については10年スパンで考えています。10年後は別の家に住んでいるかもしれないし、リビングにテントを張って、子どもの個室にしているかもしれない」(耕平さん)

住まいに対する柔軟な感覚が、今の自分たちにとっていちばんリラックスできる快適な環境を築いている。

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既存の壁を取り払い、和室と個室をつなげてひと続きの空間にまとめた。壁式構造の梁を活かして収納棚を設置。

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緑を身近に感じられる専有庭が気に入り、物件を購入。テラスもデッキ材を張って新調。

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〈物件名〉桜丘の家〈所在地〉東京都世田谷区〈居住者家族構成〉夫婦+子供1人〈建物規模〉地上4階建て(1階部分)〈主要構造〉鉄筋コンクリート造〈建物竣工年〉1984年〈専有面積〉58.99㎡〈バルコニー面積〉6.76㎡〈専用庭面積〉約23.00㎡〈設計〉野島耕平〈施工〉moph Inc.〈設計期間〉3ヶ月〈工事期間〉2ヶ月〈竣工〉2013年〈総工費〉900万円


※この記事はLiVES Vol.74に掲載されたものを転載しています。
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