建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
2015年 9月 7日

宙に浮いた床が連なる。大きなキャットタワーのような狭小戸建て

ペットと暮らす家のアイデア

建坪6.7 坪の敷地に建つ鉄骨造3階建て。
スキップフロアで立体的に空間を生み出し、
猫も自由に走り回る楽しい家をつくる。

text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue

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2階のLDK。スチールのはしごは猫たちのお気に入り。ダイニングから一段上がった窓側は日だまりの空間。

1.8M幅の家(東京都)

設計
YUUA建築設計事務所
住人データ

夫(39歳) 会社員、 妻(37歳) 会社員
こはだ(4歳)、めかぶ(3歳)

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前面道路に面した窓は特注の1枚ガラス。スチールサッシや機能的な開閉方法にこだわった。

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トップライトから自然光が落ちる階段室。壁側にフレキシブルに使える棚を設けている。

両手を伸ばせば届きそうなほど、間口がコンパクトな鉄骨造の3階建て。床がスキップしながら宙に浮くように配置され、所々にあるスリットからの採光が、奥行きのある空間に明るさをもたらしている。

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3階から2階LDKを見下ろす。キャットウォークの棚板は床と同じ足場板を利用している。

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両側採光で開放感のある3 階浴室。窓の外は一段上がったテラス。その先にはロフトがある。

全体がワンルームのように立体的につながる空間は、家自体が大きなキャットタワーのような雰囲気。この家で暮らす2匹の猫は、段差や階段を行き来し、縦横無尽に走り回ったり、隙間を見つけて隠れたり、楽しそうに暮らしている様子だ。

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道路に面した寝室の窓。ここから外を眺めるのが猫たちの日課。

「敷地が小さいので、壁で仕切るより段差で仕切るイメージでした。立体的で段差があったほうが、楽しそうだなと感じていましたね。猫のためにつくったという意識はないのですが、気がつくと本棚の本の裏など想像もしないようなところにもぐり込んでいます。猫にとっては居場所がたくさんある家のようです」

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玄関とPC コーナーの間には、猫の脱走防止のための扉を設置。

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大きめのメッシュの扉も。光と風を通しながら猫の安全を守る。

そう話すのはこの家に住むOさんご夫妻。都心に近く、利便性が高い立地に惹かれ、建坪6・7坪の敷地を選び、新築で一戸建てを建てた。

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1階のPCコーナー。奥の螺旋階段へとつながる通路でもある。横並びのデスク正面の壁には、可動式の棚を設置。背面にはIKEAの収納家具が並ぶ。

玄関から階段を上がった1階には、壁側にデスクを配したPCコーナーがあり、奥の螺旋階段へと続く。一段上がった道路側には主寝室がある。螺旋階段でアクセスする2階はLDK。真ん中にダイニングテーブルと一体となったキッチンカウンターが連なり、道路側へと3層にスキップしながら、高さを調整している。3階は水まわりとテラス。テラスと同じ床レベルのロフトは、LDKからはしごで登る。

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PCコーナーからスキップで続く窓側の主寝室。陽当たりがよく明るいが、段差の効果で天井が低く押さえられ、落ち着きとこもり感のある空間に。

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階下に光を落とすシースルーの螺旋階段。中央にパイプスペースや配線が通っているため、
スチールの細い柱で囲み圧迫感が出ないように工夫した。

設計を担当したYUUA建築設計事務所の相原まどかさんは、
「キッチンを真ん中にすることで通路を2本つくり、両側から作業ができるようにしました。猫にとっては回遊動線になります」

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窓側から2階のLDKを見下ろす。キッチン、ダイニングテーブルの高さに合わせて段差を設定。キッチンの両側に設けられた通路が猫たちの回遊動線をつくる。

床や天井はラフな足場板。宙に浮く床を表現するため、表情のある素材を選んでいる。印象的なチョコレート色の壁は、ポーターズペイント。Oさんご夫妻がDIYで塗装した。

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LDK からロフトを見る。キャットウォークは市販のスチールの棚受けを活用。

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玄関の先には地下室がある。現在は納戸として使用。階段下に倉庫もある。

「猫がいるから壁が白だと汚れが気になるかと考えて、濃い色を選びました。今後も剥がれたりしたら、自分で塗り直すことができるので、塗装を経験してよかったです」

そう話すご主人は、住み始めてからもDIYを続け、LDKからロフトへ続く壁に、棚にもなるキャットウォークを設置した。上下運動を伴う動線の出現は、猫たちにとって嬉しいご褒美となっている。

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床の小口はカットした足場板を張り、木の質感を出した。

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浴室の手前にはコンパクトにまとめたトイレと洗面室。

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シームレスな玄関の土間は自転車のメンテナンスなどにも便利。

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〈物件名〉1.8M幅の家〈所在地〉東京都〈居住者構成〉夫婦+猫2匹〈用途地域〉近隣商業地域〈建物規模〉地上3階+地下1階〈主要構造〉鉄骨造〈敷地面積〉29.28㎡〈建築面積〉22.25㎡〈床面積〉地下1階21.46㎡、1階20.61㎡、2階22.25㎡、3階16.1㎡計80.42㎡〈建蔽率〉75.99%(許容80%)〈容積率〉274.65%(許容300%)〈設計〉YUUA建築設計事務所〈施工〉株式会社栄建〈構造設計〉坪井宏嗣構造設計事務所〈設計期間〉1年8ヶ月〈工事期間〉9ヶ月〈竣工〉2012年


※この記事はLiVES Vol.74に掲載されたものを転載しています。
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