建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
住宅・建築メディアインタビュー
2015年11月 5日

物件購入を探す人と憧れる人を交差させるクリエイティブ不動産メディア「カウカモ」&「カウカモマガジン」

住宅・建築メディア インタビューVol.04 カウカモ&カウカモマガジン

ツクルバが運営する「カウカモマガジン」は、
中古物件売買サイト「カウカモ」にひもづくメディアです。
物件情報と暮らしを楽しむ情報、
この二つを制作するツクルバ代表取締役 中村真広さんと
編集担当の申梨恵さんにお話を伺いました。

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2015年1月に中古物件を扱う
『カウカモ』を立ち上げたのですが、
運営にあたり、これだけでは普通でつまらないなと。
中古暮らしは自分で手を加えないと楽しくなりませんから、
そのための情報を提供するメディアもつくろうと考えたんです。 

中村さんは「カウカモマガジン」(以下、マガジン)を
立ち上げた理由をこう語ります。
初期は物件情報に混在していた暮らし系記事を、
2015年6月のデザインリニューアルに際して分割。
“暮らし”をより楽しむためのメディアとして独立させました。

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売り主の想いを伝える
中古マンション売買サイト「カウカモ」

マガジンを語る前にカウカモの説明もしておきましょう。
読みごたえのある物件記事は、実は「日本仕事百貨」がお手本。
現在はよりスピード感を重視したボリュームになりましたが、
「物件に関わった人の想いを次の世代に伝える」
というコアは変わりません。
また一番の強みは、物件の特徴や魅力がひと目で伝わる美しい写真と
売り主さんからの充実したコメント。
不動産の売買は人のライフステージを変える大きな瞬間だけに、
双方の想いが通じる場となるよう意識しています。
そんな制作側の気持ちが通じるのか、
これほど丁寧に物件を紹介してくれるサービスは初めて、
と喜ぶ売主さんも多いそう。
中村さんは、その理由を次のように解説してくれました。

僕らは、Webに強い不動産屋と中古物件に特化した広告代理店が
協業しているようなサービスなんです。
物件の魅力を最大に伝えられる表現や見せ方など
クリエイティブ面にもこだわりますから、
そこを評価していただけているのだと思います。

カウカモでは、新築では画一的な空間も、
オーナーの変遷で個性を持ち始めることに着目。
古着にも似た面白さを最大限に伝えたいと考えています。
とはいえ、中古だけに記事の表現には繊細さも欠かせません。
ネガティブな要素が個性になることもあれば、その逆もあるからです。

ネガティブな要素も正直に伝えます。
あとはどんな人が住むと建物がいきるかを考え、
キャラ立ちするようなキャッチコピーで
明快な導線をつけていきます。
その作業を僕らは出産と呼んでいるんですよ(笑)。

確かに、記事には地名を重ねた「広尾三丁目」シリーズや
「あとは好きにして」などクリックしたくなるタイトルが並びます。
営業の審美眼を編集が整理し、代表がラベリングする。
まるで全員サッカーのごとき活躍で、
週5本もの記事を「出産」しているのがカウカモです。

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雑誌のワクワク感をスパイスに
ファン獲得を目指す「カウカモマガジン」

一方のマガジンは、カウカモユーザーの外周にいる潜在購買層、
つまり「いつかは買いたい」人々に
ファンになってもらうためのメディアでもあります。
そのため、中古物件や購入情報だけでなく、
賃貸暮らしでも参考になる情報が多く掲載されています。

特筆すべきは、一次情報にこだわった連載コラム群。
専門家に商品やサービスへの愛をたっぷり語ってもらい、
暮らしをより楽しむためのヒントをもらう「プロに聞く!」。
そして、中古住宅を購入した先輩方にカスタム例などを聞き、
中古住宅に住む楽しさを啓蒙する「中古暮らし探訪」、
土地ごとの不動産価値や面白物件とともに街を紹介する
「街歩きレポ」などがその代表です。
中でもカウカモに直結する「街歩きレポ」は、
営業の意見も加えてよい物件の頻出地域を取り上げるなど、
地域と物件にこだわる同社らしさが現れた連載です。
このように工夫を凝らした企画記事が満載のマガジンですが、
実はこの10月にリニューアルを遂げました。

月刊誌風の表紙をつくり、
毎月テーマを設定することにしました。
Webマガジンはシームレスな更新が普通ですが、
もう少し季節感を出して区切りをつけたくて。
10月号なら「灯り」特集なので
それに関連したビジュアルの表紙と記事が揃っています。
表紙を見て今月は何だろう?
とワクワクする雑誌の楽しみを提供したかったんです。

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プライベートでも雑誌が大好きだという中村さん。
現在は申さんと2人でテーマを決め、
関連のある記事を集めるという雑誌に近い工程で制作しています。
これは記事単体だけではなく、
特集全体をきちんと読んでもらうための工夫でもあるそう。

Webマガジンは、雑誌にはない
小さな情報も掲載できるのが良さですよね。
そこをいかし、僕らが『これ面白いじゃん』と思う情報を
大小こだわらず取り上げる点が、
ウチの最強の軸だと思っています。
企画会議も2人で行うのでブレもほぼないですしね。(中村)

このひと、この会社からは深いお話が聞けそうだ!
と思えば、取材のお願いをしています。
たとえば、ある商品の背景には、
つくる人や運営する会社の想いがあると思うんです。
表面をなぞるだけでなく深い部分まで
きちんと語れる記事づくりをいつも意識しています。(申)

そんなお二人に「今興味があるもの」を質問したところ、
申さんからキャンピングカーや家から持ち出せる家具との回答が。
また暮らしに関しての興味深いエピソードも伺えました。

家で過ごすことが大好きなので、
いかに心地よく楽しく暮らせるかをよく考えるんです。
今は築40年の賃貸マンション住まいですが、
植物の成長を観察する楽しさを知って観葉植物を観察したり、
企画で学んだ照明コーディネートをいかして
照明にこだわってみたり、愛着のわく食器を探してみたり。
忙しさに追われてしまうこともありますが、
小さな楽しみを取り入れて、
ていねいに暮らしたいと思っています。(申)

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通いなれた飲食店があり、休日にも誰かとの交流がある。
今暮らす東京・三鷹の街全体に心地よさを感じていると
申さんは笑顔で語ってくれました。
気になる地域に、好きな家を探し、お気に入りの家具とインテリアで
心地よい空間をつくり、雑貨にこだわる自分らしい暮らしづくり。
その参考になってほしいというマガジンのコンセプトが、
ご自身の日常からも垣間見られるかのようでした。

中古住宅を価値あるものに、日本の中古市場をよりよい場所に

中村さん曰く、新築と中古の流通比率が日本と真逆のアメリカでは、
センスよく手が加えられた中古住宅は、
のちに資産価値が上がって高く販売できる環境にあるのだそうです。
日本にもセンスのいい生活者が増えてそうした市場ができれば、
中古物件も常にアップデートされて流通しやすい社会になる
との見通しを持っています。
現在は買いたい人を集めるカウカモですが、
本当のゴールはその市場が生まれるであろう5年先にありました。

リノベーション物件を購入された方が、
手放す時に
『カウカモなら自分のこだわりや想いを汲み取ってもらえる』
と托してくれるインフラにしたいんです。
目標は『エスカレータ掃除のおばちゃん役』。
中古物件の市場が回るようになった時に、
カウカモがそのサイクルに手を添えれば
さらに資産価値を上げられる存在になっていたいです。(中村)

マガジンの読者もカウカモの物件を見て、
思う存分に憧れや夢を広げておいてほしいとのこと。
今すぐでなくても、理想の暮らしを想像して話し合うだけでも
センスは向上するものです。
物件や土地、エリアのチェックポイントが満載、
メリットやデメリットも包み隠さず表した記事は
きっと長く役立つに違いありません。

申さんも
「厳選された掲載物件をたくさん見ておけば、
実際に購入する際にも確実な判断基準を持てるはずです」
と力を込めて語っていました。

ていねいな記事づくりと交流が
メディアをアップデートする

両輪の存在とも言える「カウカモ」と「カウカモマガジン」。
双方の読者が循環すれば知識の底上げになり、
中古物件市場の質を向上させる一助にもなることでしょう。
そのためにも、マガジンはさらにパワーアップを続ける予定だそう。

更新はゆっくりですが、
どの記事も熱量を込めてつくっています。
自分たちも楽しみつつ、
皆さんが身近に感じられる情報が詰まった
マガジンにしていきたいですね。(申)

雑誌を心待ちにする気持ちを
このマガジンに感じてもらえたら嬉しいです。
今後はワークショップなどの
リアルイベントも開催していきます。
作り手と受け手が
フラットにコミュニケーションできる場をつくり、
よりよい記事制作や情報交換にいかしていければと。
そして、将来的にはリアルマガジン制作の構想もありますので、
ぜひ今後にご期待ください。(中村)

Text&Interview 木村早苗

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カウカモ
https://cowcamo.jp/
カウカモマガジン
https://cowcamo.jp/magazine

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