建築家と家づくり 好きに暮らそう SuMiKa
2016年 3月 1日

外の景観を感じる和の建築の居心地に、
エスニックを融合

長谷川さんの家

緑豊富な周辺環境を取り込む日本建築の設え。
多彩な趣味の要素、カラフルな壁やタイルで彩りを添え、個性的な空間にコーディネート。

text_ Yasuko Murata photograph_ Takeshi Kimura

キャンバスに追加する
写真を拡大する

2階には床座りスタイルの小上がりが。窓は竹林を臨む全開口。

長谷川さんの家

(東京都稲城市)

設計
ニコ設計室
住人データ

豊さん(37歳)システムエンジニア、
頼子さん(35歳)システムエンジニア

キャンバスに追加する
写真を拡大する

1階の寝室と衣装室。ルーバーで仕切り、動線や通気性、デザイン性を両立。衣装室の壁と天井はポーターズペイントで塗装。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

1階の勝手口はガラリ風の引戸。玄関と向かい合う通り庭のような造り。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

玄関を入ると右側にある衣装室。着替えやコーディネートもできる広さ。

緑地や竹林、ぶどう畑などに囲まれた高台にある土地に建つ、杉板張りの外壁の一戸建て。南側の屋根をはね上げ、竹林の風景に向かい大きく開き、2階をぐるりと縁側が取り囲む。設計を担当したニコ設計室の西久保毅人さんは話す。

緑豊かな周辺環境を、家の中からいかに感じられるかを考えて設計を進めました。2階の縁側やインナーテラスなど、屋外を取り込むような空間を随所に設けています

キャンバスに追加する
写真を拡大する

鍋の中が見えやすいようコンロの高さを低く設定。壁のタイルは名古屋モザイク。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ロフトは屋根裏空間。古い小屋のような雰囲気。不揃いに並ぶ床は、経年変化で自然に朽ちたイメージを表現した。主に漫画を読むための部屋として使っている。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

1階の勝手口の辺りから2階へ上がる階段。階段に沿って、1階の床からロフトの天井まで続く本棚をダイナミックに設けた。空間を間仕切る壁にもなっている。

ほかにも、玄関と勝手口が向かい合う通り庭風の空間、2階の小上がりや全開口の窓など、内と外を曖昧につなぐ日本建築の設えを上手く取り入れたプランとなっている。

この家に住むのは長谷川豊さんと頼子さん。バイク、洋服、料理、ギター、ビリヤードなど、多彩な趣味をもつご夫婦だ。周辺の自然を取り込む日本家屋的な空間に、趣味の要素で華やかな彩りを添えている。

別荘やリゾートのような非日常的な風情をもち、開放感のある家に住みたいと思っていました。ガレージはバイク屋さん、クローゼットは洋服屋さんのようにしてほしいとお願いしたんです(頼子さん)

キャンバスに追加する
写真を拡大する

小上がりはシンクと一体となったダイニングテーブルに対し、座りやすい高さに。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

バイク歴15年の頼子さんのガレージ。70年モデルのバイクや自転車が並ぶ。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

1階の外壁は基礎を立ち上げ、モルタル櫛引き仕上げに。2階はスギ板張り。南側の竹林に向かい、屋根をはね上げ、大きく開いている。2階は縁側がぐるりと囲む。

玄関を入ると左にガレージ、右に衣装室。頼子さんのイメージ通り、それぞれが独立したショップのような雰囲気だ。衣装室は入口にガラスの扉があり、壁・天井はムラ感のあるブルーで塗装され、S字を描くルーバーで寝室と仕切られている。2階は土間がキッチンまで続き、小上がりの杉フローリングの空間が広がる。床座りでくつろぐスタイルも、日本的な居心地の良さを感じさせる。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

浴室の壁も名古屋モザイク。床はスレートタイル。洗面の天板はガラスモザイク。

一方、水まわりのランタン型のタイルやカラフルな壁の色は、南米や中東などのエスニックな印象だ。

タイルはひと目で気に入って、同じシリーズを、キッチンと浴室に使っています。生活の中心となる2階の壁の色は、窓から見える竹林の景色に似合うものをセレクト。キッチン周辺の壁には、調理器具や食器などをオープンに収納したかったので、雑多なものとの相性の良さも重視しました(豊さん)

和風建築的な居心地と、多彩な色を使った多国籍風の仕上げは、一見異質なものに感じられる。しかし、共通して少しくすみのある色調でまとめられた空間はよく馴染み、個性的な世界観をつくりあげている。ともにプリミティブな魅力を引き出し合う、新鮮な組み合わせだ。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

2階のインナーテラス。窓を開ければ屋外と一体化。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

トイレの壁はピンク。右側の壁もアールを描いている。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

インナーテラスから続く縁側は、1 階の庇としても機能。

キャンバスに追加する
写真を拡大する

ロフトへ続く階段から見下ろす。階段とフロアが複雑に交差。

キャンバスに追加する
写真を拡大する


〈物件名〉長谷川さんの家〈所在地〉東京都稲城市〈居住者構成〉夫婦〈用途地域〉第一種低層住居専用地域〈建物規模〉地上2 階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉99.74㎡〈建築面積〉39.83㎡〈床面積〉1 階 38.22㎡、2 階 37.85㎡、ロフト 8.73㎡、合計 76.07㎡(ロフトは含まず)〈建蔽率〉39.93%(許容40%)〈容積率〉76.26%(許容80%)〈設計〉ニコ設計室〈施工〉仲野工務店〈構造設計〉筬島規行〈設計期間〉12 ヶ月〈工事期間〉7 ヶ月〈竣工〉2013 年〈総工費〉2,600 万円


※この記事はLiVES Vol.76に掲載されたものを転載しています。
※LiVESは、オンライン書店にてご購入いただけます。
amazonで【LiVES】の購入を希望される方はコチラ

関連する家づくりカテゴリー

おすすめ

前の記事

思わず早起きしたくなる!“朝ごはん”を楽しむ空間づくり...

次の記事

小屋には、“その人らしさ”が現れる。スピリタス徳永青樹...