「増村江利子のDIY的八ヶ岳暮らし」は、東京から長野へ移住し、“小さく暮らす”をモットーに賃貸のトレーラーハウスでDIY的暮らしをしているフリーランスエディター増村江利子さんによる、暮らしづくりの記録です。
ここにちょっとした棚があれば…なんて思ったことはありませんか? 棚をつくるのに必要な木材や、棚受けとなる金具を揃えるのはひと苦労かもしれませんが、木材を加工するのが面倒な人でも、ホームセンターで購入した木材をカットしてもらえば、あとは壁に取り付けるだけ。棚をつくる作業は、実際には、そんなに手間は掛からないんです。
取り付ける方法はさまざまですが、今回は、これが一番簡単かも…という方法で棚をつくりました。
木材と棚受けの種類、選びかた
今回の棚をつくる最大の理由は、子どもがダイニングテーブルでお絵描きをしたり勉強をしたりするのに、必要な文房具類が別の部屋にある、ということからでした。
そしてダイニングテーブルのすぐ脇には、DIYで壁を剥がしたあとの、くぼみがある。ここに3段くらいでいいから、ちょっとした棚があったら…ということで、DIYスタートです。
まずは木材探しから。家の別の箇所のDIYで出た端材が、ちょうど壁と同じ色のペンキが塗られていたので、これはちょうどいい!と、その端材を迷わず選択。
電動丸ノコで同じサイズの木(棚になる部分)を用意したら、同じく端材で、棚を支える部分をつくって、壁にビスでつけます。
この棚を受ける部分のことを「棚受け」といって、ホームセンターやおしゃれなインテリアショップで“金物”がたくさん売られていますが、今回は乗せるものが重たくないこともあって、シンプルな木を選びました。
そして、棚を支える部分に、みなさんご存知の木工用ボンドを塗って、その上からカットしておいた棚を上に乗せます。
じつは木材をカットするとき、ちょっとギリギリだけどハマるかな、というサイズでカットしておいたんです。木工用ボンドの上から木材を乗せるときに隙き間が出ないよう、カナヅチで叩けばぴったり!くらいのサイズ感がいいかなと。
カナヅチでとんとん叩いて、これで棚が完成です!
棚をDIYするときの、ちょっとしたコツ
棚をつくるのに一番大切なことは、棚を水平にするということ。当たり前のことなのですが、水平を測る「水平器」という道具がない場合、または使えないくらい小さい棚の場合は、仮止めしておいて丸いものを置いてみることをおすすめします。
ちなみに木材をホームセンターで購入するとき、何を買えばいいかまったく検討もつかない…という場合は、軽くて丈夫、しかもお安い「スギ」がDIYの代表格です。他には、用途にもよりますが、例えば使い込むほど飴色に変化するような木の質感が欲しいなら「マツ」を、ウッドデッキなど屋外で使うものなら「ウエスタンレッドシダー」がおすすめ。
また、木材をホームセンターでカットしてもらう場合は、「木取図」という、どの木材をどれくらいの長さで切ってください、という説明図が必要になります。といっても、定規をつかって書くようなものではなく、長ささえ分かれば、その場でフリーハンドで書いたものでOKですよ。
他にもある、棚をつくる方法
ところで、棚をつくる方法はいくつかあります。そのひとつが、吊り棚です。
写真のような吊り棚は木造住宅でないと難しいですが、例えば賃貸マンションのようなDIYはできない…という住宅でも、ビスをとめたりせずに“突っ張り棒”のような木材を天井から床へと取り付け、そこに棚や壁を自在にDIYする「ディアウォール」という商品や、石膏ボードの壁に取り付け可能な無印良品の「壁に付けられる家具」を使うなど、いろいろな方法がありますよ。
さらには、柱と柱の間に棚をつくりたい…といった場合には、棚が入る部分を削って、その溝に棚を入れこむという方法も。これはさすがに手間が掛かりそうですね。
いかがでしたでしょうか。
壁が、収納やギャラリースペースになってしまう棚づくりは、DIYに挑戦したことのない人でも簡単にできて、達成感を得られるDIYのひとつです。
みなさんの家の中でも、「ここにちょっとした棚がほしい」というスペースを見つけて、手と頭を動かしてみませんか?
国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター。一児の母。主なテーマは、アート、建築、暮らし、まちづくり。長野県諏訪郡へ移住し、八ヶ岳の麓で、DIY的暮らしを始める。“小さく暮らす”をモットーに、賃貸トレーラーハウスにてミニマルライフを実践中。
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