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【連載】DIY的暮らしのつくりかた
2017年 1月18日

DIYとプロの分岐点。しあわせに暮らすためにどちらを選ぶ?|伊藤菜衣子のDIY的札幌暮らし

DIY的暮らしのつくりかた

「伊藤菜衣子のDIY的札幌暮らし」は、札幌で日本中のクライアントのための広告制作をしながら、”暮らしかたの冒険” = ”暮らしかたの再編集” をしている伊藤菜衣子さんによる、ちょうどよい暮らしを探す冒険記です。

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《なんでも自分たちでできるようになりたい》そんな気持ちでスタートしたDIYライフもかれこれ6年くらいになりました。ペンキを塗るから始まり、床を貼ったり、漆喰を塗ったり、家中の壁紙を剥がしてみたり、棚をつくったり、天井を剥がしたり、収納家具をつくってみたり…。 築35年のボロアパート→→→築100年の廃墟 →→→ 築30年のハウスメーカーの家 と、かなりやり尽くしてきた感がある今日この頃です。

さて、今回考えてみたいのは、どこまでDIYすればいいのか?プロの出動はどこからか?ということです。DIYもプロも、両方やってみた今だからわかることを書いてみます。

DIYは自由である

スケジュールも、金額も、作業内容も、自分でマイペースに決められます。
プロの常識にも縛られない。

たとえば、壁の色を変えたい!と思ったら、ひたすらpintarestなどを見て、研究。そして、世界のあらゆる事例を前に、自分の好みと向き合うことができます。そして、これは一体どうやってやるんだ?なんて調べることも多いので、いろいろな知恵も溜まる。そして、その飽くなき探求を工期などで急かされることもありません。

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たとえば旅先のポートランドのACE HOTELでなんだかおしゃれに見えてしまう部屋の色や素材の配分を研究したり、いつでもどこでもキョロキョロしてしまう

臨時収入があったらちょっと奮発した材料を買ってみたり、プロはリスクがある施工は好まないのでできることが限られたりもする。予算にも工法にも自由もあるのです。

自分でやったほうが愛着がわく、という説は、その人次第だな、と思ったりします。わたしは塗装を失敗した壁を眺めながら、時折悲しい気持ちになることも…(笑)

プロはスケジュール通り、材料のロスも少ない

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スケジュールに数日のズレがあろうとも、だいたい想定通りことが進む。あとは大きな失敗はしないので、材料代が2倍かかったり、心配で予備を買ったり、なんてこともない。

頼んでみてわかったことは、資材がプロのほうが安く仕入れられることが多いということ。例えば断熱材なんかは、工務店の規模にもよるけれど、半額ってこともあるそう。メーカーによっては個人との取引をしてくれないこともある。

仕事が全くなく、毎日DIYだけすればいい場合は別として、使い分けが必要だなぁ、と必死にやってきた今、思うのです。

いいとこ取りDIYライフのススメ

DIYは、自分の好みをプロと共有するよい手段。このくらいのクオリティ、ここが大事、ここはラフでいい、ここはうまくできなかった…、ということを自分たちも把握して、相手にも伝える、たたき台になるのです。プロがこれはオススメしない、ということも、やってみてカッコよければ自信をもって話ができる。そうやって、自分の欲しい住まいのために《対話》をする知恵と知識と優先順位を養うのがDIYをやってきてよかったことです。

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スコップがあれば農作業を始める息子2歳

もうひとつ、息子がちゃんと背中を見ている、ということ。わたしたちは、親がDIY的なことをする背中はほとんど見てこなかった。だから、何をするにも手探りで、とにかく要領が悪い。でも、親がそういうことをやっていた友人や、DIYがふつうな海外では、とってもカジュアルに住まいに手を入れているのです。だから、これが教育のひとつなのかもしれない、と。

産業革命以降、分業化はどんどん進み、プロに任せれば安心だ、プロに任せないと不安だ、という無意識が、わたしたちの住まいをとても窮屈にしてきたのかもしれません。だからこそ、自分の理想に耳をすませて、世界の事例にアンテナを張って、どうやったらほしい住まいが、ほしい暮らしが手に入るのか、そんな試行錯誤の冒険は続きます。

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